第98話 改札の前
◇
「ナギ、伊那先生、今日はうちを誘ってくれてありがとな。めっちゃ楽しかったで」
「こちらこそ、ノイマンも誘って正解だったよ。ジェフも楽しんでくれたし、仲良くしてくれてありがとう。今度はあいつにNYを案内してもらおうぜ?」
「ははっ、それは楽しみだ。ああウィラ、こちらこそありがとう。本当、今日は楽しかった」
「ほんまおおきに。そらジェフもおもろいし、伊那先生とナギがうちに紹介したいのもわかるわ。ほんまええご縁やったんやな…せや、またジェフに会うときはあれや、ジェフの奥さんやろ、生まれてきたジェニーちゃんも一緒でええんとちゃうか?」
「ああ、素晴らしいね。きっと楽しいひとときを過ごせるだろうな」
「ジェフの奥さんさ、綺麗でかわいいし、きっと生まれてくるジェニーもそうなんだろうな……ああ、なんか年齢を感じてきた」
「せやな、それ言うたらあっちゅう間にうちらおばはんやで?」
「コウサカ、ノイマン、お前らまだ女子校生だろ? そんなことより青春しろよ」
「「「HAHAHA!」」」
「そう言うけどさ、あたしらはまだ先生やジェフよりガキンチョだぜ? 当事者って言うかさ、なかなか実感が湧かねえんだよ」
「せやな、女子校生にしてはめっちゃ色んな事やっとる方やと思うねんけどな」
「ああ、そうだな、お前らは色々とやり過ぎだ……そのうち校舎を建て替える羽目になるかもな?」
「おいおい、あたしらは怪獣扱いか?」
「「「HAHAHA!」」」
「そらナギやったら……」
「コウサカの事だからあり得なくもないかもな。それこそリバティ島から歩いてきたようなものだろうよ」
「随分と自由な女神だな? ゴーストバスターズ2かよ!?」
「いや、あんたそれ言うたら牛久大仏やろ?」
「ああ、やっぱり二人は自由な女神だな」
「「「HAHAHA!」」」
「で、ジェフを見送った次は、実家に帰るお前のお見送りか。ウィラ、忘れ物はないか? お土産は? ああ、あと飲み物も…」
「ナギ! あんたはうちのおかんか!?…いや、もうおかんやったわ」
「「「HAHAHA!」」」
「ノイマン、そろそろ新幹線の時間だ。気をつけて帰れよ」
「乗り遅れるなよ? ウィラのことだから心配するまでもないけどさ」
「いや、うちあんたらの子供とちゃうわ!? あれか、仲のええ夫婦か!?」
「「おいおい、まだ付き合ってもいないから……あっ……」」
「もう付き合えや!」
「「「HAHAHA!」」」
「ウィラ、そう言う訳にもいかねえんだ…」
「ノイマン、先生をあまりからかわないでくれよ?…それじゃ、実家のご家族にもよろしくな」
「ま、進捗あったら報告するんやで? うち、口固いから安心してや?」
「「………」」
「いや、なんか言えや!」
「「「HAHAHA!」」」
「ウィラ、そろそろ時間だろ?」
「あ、せやった…ほな、うちもう行くから、また4月な。ほんじゃ先生、ナギをよろしくたのんます!」
「ああ、それじゃノイマン、いってらっしゃい」
「ウィラ、またな!……おいおい、ウィラの奴、全力でダッシュしてるぜ? 全く、新幹線の時間ギリギリまでなにやってるんだよ」
「ああ、凄いバイタリティーだよな。ま、それだけ楽しかったんだろうな。名残惜しいのもわかるさ」
「そうだな、立場が違えばあたしもそうなんだろうな」
「きっと俺も同じだよ。さ、あとはコウサカを無事に送り届けるだけだな」
「こりゃ二人きりで楽しいドライブの時間だね。先生、あたしはちょっと刺激的な夜のドライブに期待するぜ?」
「コウサカ、切符切られるからそれは勘弁してくれ」
「「HAHAHA!」」
「わかってるさ……なあ、先生…」
「どうした? 未成年はもう帰らないといけないぜ?」
「全くだ、早く大人になりたいぜ」
「大丈夫、慌てなくていいさ。向こうからやってくるからな?」
「ああ、だろうね……で、おぼこなあたしはさ、背伸びして大人の階段を上りたがっているんだ……」
「気持ちは理解できる……たがよ、コウサカ…」
「なんだよ? 一生のお願いって言っても駄目か?」
「ああ、駄目だ。コウサカ、お前は人生であと何回使うつもりなんだ?」
「「HAHAHA!」」
「やっぱり駄目かぁ~……でもさ、先生、あたしは背伸びしたいお年頃なんだぜ?」
「ああ、そうだな。それでコウサカ、これ以上背伸びしてどうするんだよ?」
「ああ、2mは越えるな」
「「HAHAHA!」」───。
◇
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます