第93話 ドライブ
◇
「ふっふっふっ、今日は念願のもんじゃを食べに行くで」
「会長、もんじゃに誘ってくれてありがとうございます。先生の車で行くのはいいっすけど、書記長はどうしたんすか?」
「ああ、コウサカはバイクで追いかけるって言ってたな」
「先生の車、スポーツカーやろ? 牛久大仏含めて四人も乗ったらそら…キツいやろ?」
「「「HAHAHA!」」」
「私と会長も背が高い方っすけど、書記長はあれっす……本当に規格外っすからね」
「そらな、ナギは毎回頭ぶつけてもうとるし、伊那先生、そのうち車壊されてまうで?」
「ああ、もうバンパーが飛んだよ? 駐車場で運転の練習させたらギャラリーが出来たぜ?」
「いや、どんな運転させたらバンパーが飛ぶねん!?」
「会長、それよりもどうして先生と書記長が一緒だったか突っ込むべきっすよ?」
「「「HAHAHA!」」」
「ああ、深夜のドライブして駐車場からの夜景を見てたら……何故かコウサカが来た」
「そういやこの前ナギ、ちょっと走りたい言うて出掛けとったな…いや、そんな偶然あるんかいな?」
「たまたま?…いや、絶対先生に連絡したっすよ? 書記長、一度言ったら誰が止めても聞かないっすからね?」
「……小幡、正解だ。かといってさ、あいつを一人でふらふらさせる訳にもいかねえだろ?」
「せやな、そら先生からしたらそうせなあかんし、ナギもああ見えて乙女過ぎるっちゅうか、先生は目ぇ離せんとちゃうか?」
「ああ、目を離せないけど…コウサカなら秒でわかるぜ?」
「書記長色々と規格外っすから目立つっす」
「「「HAHAHA!」」」
『……vroooOOOM!! Purrrrrr!!……』
「今の書記長じゃないっすか?」
「噂をすればなんとやらだな? コウサカが乗るとバイクが小さく見える」
「「「HAHAHA!」」」
「あれやな、三段シートとエビテール辞めてようやくマシになったんとちゃうか?」
「書記長元ヤンっすからね、先生と会長がなにも言わなかったら未だにヤンキー雑誌の表紙っすよ?」
「ま、俺もそういう時期あったから気持ちはわかるけどさ、流石にあのままって訳にはいかないだろ? だからコウサカには特撮ヒーローっぽいのが好きだって言ったらさ、すんなりだったよ」
「そらナギにとって先生はヒーローやからな? なんか知らんけどナギ、先生には頭が上がらへんし、乙女心もあるんやろうけど…なんやろ、先生、あんたは何者なんや?」
「そう言えば気になってたっす。伊那先生、なんか只者ならぬ雰囲気があるっすね?」
「おいおい、俺は只の国語教師だぜ?……ま、先生だって秘密の一つや二つぐらいあるさ?」
「そらそうやろな、うちの勘違いや。せやけど強面の体育教師が避けて歩くぐらいやし、ちょっとだけ気になったんや」
「確かにっす。先生若手っすけど、結構重要そうなポジションにいるから気になるっすけど」
「深読みし過ぎだぜ? ただ単に面倒ごとを引き受けているってだけさ?」
「せやな、教職員言うたらハードワークやからな」
「そうっすね、英語とドイツ語、ついでに関西弁が飛び交うキャラの濃すぎる問題児がいる、珍獣部屋の生徒会顧問を引き受けているっすからね?」
「いや、問題児って言うけど、うちも人数に含まれとるんかい?」
「ああ、本当そうだな、参ったぜ?」
「「「HAHAHA!」」」
「なんや、うちのどこが問題児なんや? 言うてみ?…あっ、ナギからメールや。先着いたから席、取っといてくれたみたいやで?」
「あいつ、本当よく気が利くよ」
「書記長はああ見えて、そう言うところによく気付くっすからね」
「そらそうよ、おかんやし?」
「「「HAHAHA!」」」───。
◇
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