第82話 木枯らしに吹かれて






「さっぶ!…なんや、うちんとこの校則な、やっぱ頭おかしいんとちゃうか? もう冬やろ? うう…さっぶ!! ナギ!生徒手帳見てみ?こんなん寒い言うてるのにな、指定のスカート・靴下以外あかんってな、アホか!?」


「ああ、その校則に従う律儀なアホがいるね?」


「「HAHAHA!」」


「そら一応…うちは真面目ちゃんやからな? せやけどこんなんクソ真面目にやってな、うちらの生理痛が重うなったらどないすんねん!?」


「よう、クソ真面目な生徒会長。せめて女の子の日って言いな? いいからジャージを履けよ?」


「「HAHAHA!」」


「ナギ、あんた意外と乙女チックでかわええな」


「うっせえよ、寒いならさっさとジャージを履け」


「あんたはおかんか?」


「うちの娘がお世話になっています」


「「HAHAHA!」」


「校則違反上等の不良娘にそんなんいわれてもな…うぅ、さぶっ! さぶいぼが出たわ」


「いいんだよ、あたしはそれで。ウィラ、お前が鳥肌立てて震えてるの見てらんないぜ?」


「やっぱおかんや…って、さぶいぼって言わん?」


「うるせぇよ、あたしは関東育ちだから言わねーよ。ウィラ、クソッタレな校則に従って女の子の日をハードにする必要はねーだろ?」


「せやな、せやけどクソッタレな校則は校則やろ? まだ有効なんやし、そこはまだ通しとらんやろ? うちの真面目な優等生キャラが崩壊するで? 先生方な、びっくりして気絶するんとちゃうか?」


「いいね、自習が増えるから是非そうしてくれ」


「「HAHAHA!」」


「そらええな、ほんならうちは今から不良娘になるで」


「「HAHAHA!」」




───。




「ほんでな、うちがジャージ履いただけで職員会議始まってるんやけど…いくらなんでも大袈裟過ぎるやろ? アホちゃうか?」


「そのアホが作った校則だからな」


「「HAHAHA!」」


「こうなったらな、うちらもはよ動かんとあかんで? 養護教諭の姉さんに相談や。うちら女の子の身体の問題もあるしな、せやから大人の女の人を動かさんとあかんな」


「それでも動かんバカ校だったら教育委員会だな」


「せやな…、教育委員会もアホやったらどないしよ?」


「ああ、そうだったとしたら、あたしら生徒会がそのアホ以下って事だよ?」


「「HAHAHA!」」


「ほんならうちらが服装規定をな、もっとはよ進めんとあかんな?」


「ああ、そうだな。それはそうと自習を増やしてくれた英雄さん、今日の学食はあたしのおごりだ」


「うちはそんなん安い女とちゃうで? まだ生娘やから高いで?」


「賢いのも考えものだね、それじゃ英雄とだけ称えようか」


「冗談や、腹減っては戦が出来へん、ごちそうになりますわ」


「素直でよろしい、いつもので良いか?」───。






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