第82話 木枯らしに吹かれて
◇
「さっぶ!…なんや、うちんとこの校則な、やっぱ頭おかしいんとちゃうか? もう冬やろ? うう…さっぶ!! ナギ!生徒手帳見てみ?こんなん寒い言うてるのにな、指定のスカート・靴下以外あかんってな、アホか!?」
「ああ、その校則に従う律儀なアホがいるね?」
「「HAHAHA!」」
「そら一応…うちは真面目ちゃんやからな? せやけどこんなんクソ真面目にやってな、うちらの生理痛が重うなったらどないすんねん!?」
「よう、クソ真面目な生徒会長。せめて女の子の日って言いな? いいからジャージを履けよ?」
「「HAHAHA!」」
「ナギ、あんた意外と乙女チックでかわええな」
「うっせえよ、寒いならさっさとジャージを履け」
「あんたはおかんか?」
「うちの娘がお世話になっています」
「「HAHAHA!」」
「校則違反上等の不良娘にそんなんいわれてもな…うぅ、さぶっ! さぶいぼが出たわ」
「いいんだよ、あたしはそれで。ウィラ、お前が鳥肌立てて震えてるの見てらんないぜ?」
「やっぱおかんや…って、さぶいぼって言わん?」
「うるせぇよ、あたしは関東育ちだから言わねーよ。ウィラ、クソッタレな校則に従って女の子の日をハードにする必要はねーだろ?」
「せやな、せやけどクソッタレな校則は校則やろ? まだ有効なんやし、そこはまだ通しとらんやろ? うちの真面目な優等生キャラが崩壊するで? 先生方な、びっくりして気絶するんとちゃうか?」
「いいね、自習が増えるから是非そうしてくれ」
「「HAHAHA!」」
「そらええな、ほんならうちは今から不良娘になるで」
「「HAHAHA!」」
───。
「ほんでな、うちがジャージ履いただけで職員会議始まってるんやけど…いくらなんでも大袈裟過ぎるやろ? アホちゃうか?」
「そのアホが作った校則だからな」
「「HAHAHA!」」
「こうなったらな、うちらもはよ動かんとあかんで? 養護教諭の姉さんに相談や。うちら女の子の身体の問題もあるしな、せやから大人の女の人を動かさんとあかんな」
「それでも動かんバカ校だったら教育委員会だな」
「せやな…、教育委員会もアホやったらどないしよ?」
「ああ、そうだったとしたら、あたしら生徒会がそのアホ以下って事だよ?」
「「HAHAHA!」」
「ほんならうちらが服装規定をな、もっとはよ進めんとあかんな?」
「ああ、そうだな。それはそうと自習を増やしてくれた英雄さん、今日の学食はあたしのおごりだ」
「うちはそんなん安い女とちゃうで? まだ生娘やから高いで?」
「賢いのも考えものだね、それじゃ英雄とだけ称えようか」
「冗談や、腹減っては戦が出来へん、ごちそうになりますわ」
「素直でよろしい、いつもので良いか?」───。
◇
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