第81話 ファンクラブ名誉会長







「ナギナギナギ!」


「なんだ?騒々しい、パールハーバーか?ワレ奇襲ニ成功セリってか?」


「そらトラトラトラやろ?…ってちゃうわ!」


「「HAHAHA!」」


「じゃあなんだ?そんなにはしゃいでどうしたんだお前?嬉しそうな犬か?今から散歩でも行くか?」


「Wuff wuff!…って、犬ちゃうわ!」


「「HAHAHA!」」


「しっかりドイッチュラント式なんだな」


「せやで、うちに流れるゲルマンの血を忘れたらあかんで?」


「お前が一番忘れかけているけどな?」


「それ言わんといて」


「「HAHAHA!」」


「さて、リードと首輪は…」


「なに探そうとしとんねん!うち犬ちゃうやろ!?」


「放し飼いなのによくしつけられているな?お利口さんだ…はい、お手」


「Wuff!…って、アホか!もうええっちゅうねん!」


「「HAHAHA!」」


「ま、お前がはしゃぐのもわかるよ」


「そらそうよ!入場チケットの収益あるやろ?和風喫茶は好評やったろ?チェキでボロ儲けやったし、うちらの写真集も重版決定やろ?…ナギ!こんなん笑いが止まらへんやろ!?」


「ああ、学園祭は大盛況だったな…儲けすぎて校長室に呼ばれるなんて想定外だぜ?」


「うち校長室に呼ばれるの初めてやったからな、そら緊張したで?借りてきた猫みたいやったろ?」


「おう、ウィラちゃんは今日もかわいいな、よしよしよし…」


「…あかん、ナギ撫でるの上手すぎや…って、もうええわ!」


「「HAHAHA!」」


「全く、今日も絶好調だな?」


「せやせや、ほんであんたはどないやったんや?校長室入るの、なんか妙に慣れとったし、初めてとちゃうやろ?」


「ああ、あたしもここでは初めてだったよ」


「ここでは…って、あんたぐらいとちゃうか?学校の全部屋網羅してそうなん?」


「ああ、小中は全部屋をコンプリートしたぜ?」


「すごっ!…って、そらいたずら好きなあんたやからな、侵入するわ、呼ばれるわで冒険しとったんとちゃいますか?」


「おう、教員よりも詳しかったぜ?なんなら業者の人も案内できるぜ?」


「もうあんたがやれや!」


「「HAHAHA!」」


「でさ、校長先生に怒られるかと思ったらさ…」


「まさか写真集にサイン書くと思わんかったわ…」


「いったい何冊買ったんだよ?全く、ファンを獲得したとはいえさ、校長先生が応援してくれるなんてな?」


「ほんまやで。あれや、びっくらこいて時が止まったかと思ったで?」


「ああ、おかげで公認だろ?」


「校長先生な、話長すぎるけどおもろすぎるやろ?」


「「HAHAHA!」」


「ああ、見直したよ。話長すぎるけど、あたしらの事を認めてくれているわけだ」


「生徒会が働きすぎやって気ぃつかってくれとるさかい。ほんならうちらもファンの期待に応えなあかんで?」


「今後も生徒会の活躍に期待する…か。それまでが酷すぎただけなんだけどな?」


「それな!」


「「HAHAHA!」」───。






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