第78話 文化祭の出し物は?
◇
「なんでや! うちら生徒会が出店したらあかんのか!?なにがあかんか言うてみ!?…うぅー、ナギ!」
「おう、流石にウナギは無理だろ?」
「いや、ウナギとちゃうわ!」
「「HAHAHA!」」
「おいおい、喫茶店だろ? なんで却下されたか知らねえけどさ、申請書類の不備じゃねえのか?」
「うちが書類で間違う訳あらへんやろ?完璧に揃えて提出したんやで?」
「じゃあなんで却下されたんだろうな?…学園祭実行委員の予算削った事、恨まれているのか?」
「そんなんしょーもな理由やったらな、いくらなんでもアホ過ぎるんとちゃうか?」
「それについては風紀委員会の私が説明しましょう」
「おっ、工藤さんが出てくるって事はさ、何か問題あったって事だろ? あたしからもお願いするぜ…って、おーい、ウィラ?…お前はなんで目を逸らしているんだ?」
「…そ、そら…あれや…」
「ええ、喫茶店の出店そのものについては、許可がおりますよ?…ところで会長、水着喫茶ってなんですか?」
「おい、お前それは…誰がどう見てもアウトだろ!学祭どころか風営法違反だ!?」
「「「HAHAHA!」」」
「いや、ちゃうねん…ナギの迫力満点のチョモランマがあるやろ? それにな、めっちゃスタイルええからな…これ活かさんでどないするんや?んんっ?こんなん集客力があんに決まっとるやろ?」
「工藤さん、連行」
「はい、了解です。会長、言い訳は後でたくさん聞きますのでおとなしくしてくださーい…」
「コラー!うち捕まっとるやん!」
「「「HAHAHA!」」」
「おいおい、人の褌で相撲取るなって? 連行はともかくさ、却下で当然だろ?」
「ええ、水着は駄目でしょう。水着喫茶以外で健全なものでしたら、何ら問題ありませんよ?」
「ええアイディアやと思ったんやけどな…ほんならあれや!」
「立ち直り早っ!…で、今度はなんだ?」
「健全なら何でもいいですよ?健全ならね?」
「工藤はん、水着はジョークや…和風喫茶なんてどうや? 浴衣なら問題あらへんやろ?」
「ああ、それはいい。夏祭りに着付けして以来、出番が無かったからちょうどいいな」
「ええ、いいアイディアです。仮装の一種ですから問題はないでしょう」
「浴衣にエプロン、または割烹着もええんとちゃうか?」
「なかなか洒落ているな。大正浪漫をコンセプトにするか?」
「いいコンセプトですね、客入りに期待できそうです。ついでに風紀委員を常駐させましょう」
「ええやろ?ほんでな、浴衣やから下は…スースーしてまうな…」
「「いや、そこは履けよ!戦前か!?」」
「そら大正浪漫やから戦前やろ?」
「工藤さん、ここにタイムスリップしてきた奴がいるぞ?」
「そうですね、会長が普段パンツを履いていようとそうでなかろうと、正直どうでもいいですが、明記したら却下になりますよ?」
「あんたは気にならんのかーい!?」
「「「HAHAHA!」」」
「工藤さん、安心してくれ…あたしがちゃんと履かせてる」
「書記長がそう言うなら安心です。我々の仕事が増えてしまいますのでね…」
「いや、あんたらの言う安心が安心出来へんわ!」
「「「HAHAHA!」」」───。
◇
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