第78話 文化祭の出し物は?






「なんでや! うちら生徒会が出店したらあかんのか!?なにがあかんか言うてみ!?…うぅー、ナギ!」


「おう、流石にウナギは無理だろ?」


「いや、ウナギとちゃうわ!」


「「HAHAHA!」」


「おいおい、喫茶店だろ? なんで却下されたか知らねえけどさ、申請書類の不備じゃねえのか?」


「うちが書類で間違う訳あらへんやろ?完璧に揃えて提出したんやで?」


「じゃあなんで却下されたんだろうな?…学園祭実行委員の予算削った事、恨まれているのか?」


「そんなんしょーもな理由やったらな、いくらなんでもアホ過ぎるんとちゃうか?」


「それについては風紀委員会の私が説明しましょう」


「おっ、工藤さんが出てくるって事はさ、何か問題あったって事だろ? あたしからもお願いするぜ…って、おーい、ウィラ?…お前はなんで目を逸らしているんだ?」


「…そ、そら…あれや…」


「ええ、喫茶店の出店そのものについては、許可がおりますよ?…ところで会長、水着喫茶ってなんですか?」


「おい、お前それは…誰がどう見てもアウトだろ!学祭どころか風営法違反だ!?」


「「「HAHAHA!」」」


「いや、ちゃうねん…ナギの迫力満点のチョモランマがあるやろ? それにな、めっちゃスタイルええからな…これ活かさんでどないするんや?んんっ?こんなん集客力があんに決まっとるやろ?」


「工藤さん、連行」


「はい、了解です。会長、言い訳は後でたくさん聞きますのでおとなしくしてくださーい…」


「コラー!うち捕まっとるやん!」


「「「HAHAHA!」」」


「おいおい、人の褌で相撲取るなって? 連行はともかくさ、却下で当然だろ?」


「ええ、水着は駄目でしょう。水着喫茶以外で健全なものでしたら、何ら問題ありませんよ?」


「ええアイディアやと思ったんやけどな…ほんならあれや!」


「立ち直り早っ!…で、今度はなんだ?」


「健全なら何でもいいですよ?健全ならね?」


「工藤はん、水着はジョークや…和風喫茶なんてどうや? 浴衣なら問題あらへんやろ?」


「ああ、それはいい。夏祭りに着付けして以来、出番が無かったからちょうどいいな」


「ええ、いいアイディアです。仮装の一種ですから問題はないでしょう」


「浴衣にエプロン、または割烹着もええんとちゃうか?」


「なかなか洒落ているな。大正浪漫をコンセプトにするか?」


「いいコンセプトですね、客入りに期待できそうです。ついでに風紀委員を常駐させましょう」


「ええやろ?ほんでな、浴衣やから下は…スースーしてまうな…」


「「いや、そこは履けよ!戦前か!?」」


「そら大正浪漫やから戦前やろ?」


「工藤さん、ここにタイムスリップしてきた奴がいるぞ?」


「そうですね、会長が普段パンツを履いていようとそうでなかろうと、正直どうでもいいですが、明記したら却下になりますよ?」


「あんたは気にならんのかーい!?」


「「「HAHAHA!」」」


「工藤さん、安心してくれ…あたしがちゃんと履かせてる」


「書記長がそう言うなら安心です。我々の仕事が増えてしまいますのでね…」


「いや、あんたらの言う安心が安心出来へんわ!」


「「「HAHAHA!」」」───。






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