第71話 謹慎明けて
◇
「ナギ、なんか知らへんけどな、うちら英雄にでもなったんとちゃうか?」
「ああ、来年から騎馬戦は廃止だからな。そりゃ大手を振って歓迎されるさ」
「そら…ま、そんなんええねん。それよかな、フォークダンスに罪は無いんとちゃいますか?」
「そのフォークダンスで合気道やったのはどこのどいつだ?」
「そらうちのクォーター分のあれやな」
「どこのどいつって、ドイッチュラントじゃねーよ!」
「「HAHAHA!」」
「そういうあんたもあれやろ?なに足払いかけとんねん?」
「あれは条件反射だ、レディの持ち物を勝手に収穫される訳にはいかねえだろ?」
「そらそうや、変なおさわりした方が悪いで?」
「全く、もう少しレディの扱いを心得て欲しいね」
「そうっすね、レディを語るゴリラ二人っすからね、ますます近寄りがたいっすよ?」
「誰がゴリラゴリラゴリラや!?」
「誰がゴリラゴリラゲリンベイだって?」
「西と東の山猿が揃い踏みっすね?」
「「「HAHAHA!」」」
「カズサちゃんおはよう!あんた、相変わらず今日も眠そうやな?目ぇ開いとるんか?」
「おはようっす、元々っす、会長のジト目には敵わないっすよ?」
「「「HAHAHA!」」」
「そらな、かわええうちのチャームポイントやからな? カズサちゃんもやろ?」
「いや、私はもっとシャキッとしたいっすけど、貰い物っすから文句ないっす」
「そうだな、小幡はそのままでいてくれ」
「あざーっす、書記長はあれっすね?…今まで何人〇ったんすか?」
「あ"ぁ!?」
「冗談っす、書記長美人っすけど、目付きは人〇してるっす」
「それな!ほんでカズサちゃん…人〇しの目をしたナギもな、普段やったら鋭いんやけど…めっちゃかわええ時もあるやろ?」
「あー、わかるっす…あれ、惚れそうになるからやばいっすね」
「おいおい、お前らさ…これは元々だから勘弁してくれよ?」
「そりゃそうっすね、書記長の姐さん、お疲れ様っす!」
「ナギ、そら舎弟出来てまうな?」
「「「HAHAHA!」」」
「おいおい、だったら目力弱めにしてみるか?」
「あー、それどっかでみたことあるな?なんやっけ?」
「そうっすね、雪山にいそうっすね?」
「おい、あたしはイエティかよ?」
「それや!」
「「「HAHAHA!」」」
「確かに書記長のたっぱも納得っす」
「はいはい、それよりさ…小幡、昨日はどうだったんだ?」
「昨日っすか?…私が集めた情報っすけど、怪我人情報は多いだけで大したことないっす。履修には影響ないっすね…あ、そう言えば体育っすけど、しばらくは変更らしいっすよ?」
「カズサちゃん、そら案外えらいことになったんとちゃうか?」
「ま、先生の情報通りなら…な?」
「そうっすね。あ、それなんすけど、取材に来た人に即席で編集したビデオ渡したらめっちゃ喜んでたっす…あ、これ例のローカルメディアの人の名刺っす」
「そら…あれ見たら追加情報なんていらんやろな」
「ああ、共学っぽく無いだけでなに騒いでいるんだろうね?」
「いや、おおごとにしたあんたらがなに言ってるんっすか?」
「「「HAHAHA!」」」
「そら生徒会の本気っちゅうことやろ?舐められる訳にはいかへんしな」
「これでますます大鉈を振るいやすくなった訳さ」
「そうっすね…あ、体育祭実行委員に割り振った予算っすけど、帳簿ミスっすかね?…使用用途の怪しいところが見つかったっす」
「…ふっふっふっ、まいどおおきに?」
「ああ、放課後が楽しみだな?」
「そうっすね、楽しみっすね。私も調査を進めるっす、会長、書記長…やり過ぎてまた謹慎にならないように気を付けるっすよ?」
「「「HAHAHA!」」」───。
◇
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