第70話 謹慎中の二人と先生と
◇
『…香坂、ノイマン。お前らに良いニュースと悪いニュースがある…どっちから聞く?』
「ほんならええニュースからやな?」
『おう。まずは良いニュースだが、お前らにこれ以上のお咎めは無しだ』
「へえ、そうなると悪いニュースはあれだな」
「せやな、うちも同いなこと思ったで?」
『ああ、お前ら冴えてるな?…明日から登校だ』
『「「HAHAHA!」」』
「おいおい、結局はただの三連休だったな?」
「それな。代休が1日多かっただけとちゃいますか?」
『そうだな。結論から言えば、騎馬戦の反対意見を退けた教員達の責任、減俸処分さ。…そもそもチーム戦で組織的な連携をすればさ、こうなるのも当然だろうと予想できない方に問題ありと言うわけだ』
「で、伊那先生はどうなんだい?」
『ああ、俺は据え置きだから回らない寿司は無理だぜ?』
『「「HAHAHA!」」』
「そういや伊那先生、反対しとったんやったな」
『そりゃそうさ、毎年渋々やらされて怪我人が出てよ、学園生活が嫌になる生徒もいるんだよ…今回は過去最多の怪我人だったぜ?こう言ったら悪いけどさ、流石に良い薬になったんだろうな?』
「そうだろうな、流石に地元の新聞社やローカルメディアまで来てたのは驚いたぜ?」
「うちら美人やからめっちゃ反響あるんとちゃうか?」
『ああ、悪目立ちしてるよ? おかげでうちは戦前へタイムスリップ、または士官学校かと揶揄されているぜ?』
『「「HAHAHA!」」』
「ルール的に戦前と変わってねえのが悪いだろ」
「せやで?そんなんしょーもないもんを伝統やって言い張る方に問題があるんとちゃいますか?」
『ああ、お前らの言う通り…だが反省の色だけは見せてくれないか?』
「「ごめんなさい…」」
『うん、本音はともかくそうしてくれ』
「わかった、それで先生さ、あたしらはこれからどうすれば良いんだ?」
『ああ、今後から俺が生徒会担当をやることになった。お前らを何とか出来そうな奴が俺だけだったのさ?』
「せやな、うちらと話通じるの先生しかおらへんで?…ナギ、良かったんとちゃうか?」
「う、うっせーよ!?」
『「「HAHAHA!」」』
『ともあれ今後は、俺の管理下にあることを忘れないでくれ。…流石に今回の体育祭はな、やりすぎだぜ?特に騎馬戦は資料映像として最高だろうな?』
「うちらも確認したんやけどあれな、カズサちゃんええ編集してくれたんとちゃうか?」
「ああ、見応えは抜群だろ?…体育祭実行委員長はさ、卒業まで延々とネタにされるんだろうな」
「そら後輩女子に息巻いといてな、無惨にも負けてまうスポーツ推薦枠なんてな、実行委員長はん進路的に危ういんとちゃうか?」
『ああ、一方のお前らの進路は安泰だ。軍隊からオファーが届いたぜ?』
『「「HAHAHA!」」』
「おいおい、進路相談するまでもねえってか?ありがてえなおい」
「ほんならうちも検討させていただきますわ」
『おい、お前ら前向きだな?』
『「「HAHAHA!」」』
「ま、ともあれ謹慎明ける明日が楽しみだぜ」
「そらナギは先生に会えるんやからな?」
「ちっ、ちげえよ!?先生さ、あんまこいつの言うことを信じなくて良いからな!?」
『おいおい、お前ら青春しているな…あぁ、一つ良い忘れた事があった。お前らさ…』
「先生、急に真顔になってどないしたんでっか?」
「先生、今更クソッタレな説教なんてごめんだぜ?」
『…いや、謹慎中だから家で何していようが俺は関知しないけどな…言いそびれた事が一つだけ』
「ナギ、もしかしてあんた、愛の告白されるんとちゃうか?…先生、うちお邪魔やったら席外すで?」
「…えっ、おい…本気か?」
『ああ、愛の告白よりもこっちの方が恥ずかしいよ…お前ら、家でどんな格好で過ごそうと勝手だが…ビデオ通話の時ぐらい服を着ろよ!?』
「あっ…そういや下着のまんまやったの忘れとったわ」
「おいおい、ちゃんと穿いてるし、胸も巻いてるから良いだろ?まだ暑いしさ…」
『ああ、そうかい…little bitch!』
『「「HAHAHA!」」』───。
◇
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