第60話 ロックンロールな先生と







「ナギ」


「…zzz」


「…ナギ、指されとるで?はよ起き?」


「…zzz…ん?もう授業終わったのか?」


「あんた何寝ぼけてんねん?指されとる言うとるやないかーい!」


「「「「「HAHAHA!」」」」」


「おはよう香坂、お疲れなのはわかるけど、先生も立場上言わざるを得ない事があるんだ。…香坂、一応授業はちゃんと受けような?」


「Okay okay. I got it(はいはい、わかったよ)」


「香坂、まだ寝ぼけているな。英語の時間はもうとっくに終わってる。今は現代文の時間だぞ?」


「「「「「「HAHAHA!」」」」」」


「Go fu*k your self(クソッタレ)」


「All right, Fu*king little bitch. Take out your textbooks?(いいか、クソッタレなメスガキ。教科書を出しな?)」


「ナギ、アホ言うとらんではよ現代文の教科書だしぃ?先生もなに言うとんねん、あんたもアホちゃうか?」


「…When did this place become Japan?(ここはいつから日本になったんだ?)」


「ナギ、ここは日本やから!いつまでも寝ぼけとらんではよ起きんか!」


「お前ら、イカれてるぜ」


「「「「「HAHAHA!」」」」」


「…おはよう、えっとどのページだ?…オーライオーライ…おい、何で現代文に世界地図が書いてあるんだ?」


「香坂、それ日本語だけど地理の教科書だからな?」


「「「「「HAHAHA!」」」」」


「あっ、本当だ…えっとどれだ…」


「あんた、寝起きやから見つからんとちゃうか?ほれ、うちの見したるからはよ読み?」


「お、ありがとう。えっと…下人が…」



───。



「香坂、お前が一人暮らしで大変なのはわかる。生徒会も精力的に動いているのも感心するぞ?…先生もな、授業でよく寝てたから気持ちはわかるけど、一応教科書ぐらいは用意してくれよな?」


「おいおい、先生も通った道かよ?それ生徒に言っていいのか?」


「先生も学生やっていたから当然だろ?」


「「HAHAHA!」」


「オーライ、わかったよ。あたしが悪かった」


「ま、気をつけてくれよな?お前は良くも悪くも目立つからさ、流れをいい方向に持っていきな」


「ああ、ありがとう。先生みたいな人ともっと早く出会いたかったよ」


「香坂、今からでも遅くなんてないだろ?お前は良い友達にも恵まれた。たまにやらかすけど、クソッタレな前評判なんか覆しているんだから、もっと胸張って前を見な?」


「おう、ありがとう先生。…ところであたしに胸張れってさ、これ以上どうしろと?ボタンが飛ぶぜ?」


「そう言うことじゃないから、気持ちの話だからな?」


「「HAHAHA!」」


「あれか、先生もやっぱ男だからか?そりゃずりネタにするのは勝手だけどさ、ま、教師の役得って事かい?」


「ああ、最高だね?…って、先生に何言わせてんだよ!?」


「「HAHAHA!」」


「ナギー!先生といつまでおもろそうな話をしとんねん?はよ終わらせんかい!次の授業始まってまうで?」


「ああ、今戻る!悪いな、あたしの為に時間とらせて」


「良いんだよ、次の授業は寝ても良いけど教科書ぐらいは用意しておけよ?」


「「HAHAHA!」」


「おいおい、あんたもイカれてるぜ」


「おうよ、香坂と変わらねえさ。さ、俺も次の授業があるからまたな!」───。





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