第59話 チャイナタウンを満喫してから
◇
「いやー、うまかったわ!ナギ、ほんまありがとな!」
「ああ、満足してくれて何よりだよ…本当、よく食ったもんだ」
「そらあんだけおいしいんやから当然やろ?ナギの作るご飯もめっちゃおいしいけどな、たまには外で食べるのもエエな!」
「ああ、青椒肉絲、酢豚、鶏肉のカシューナッツ炒めに麻婆豆腐…本当、この組み合わせが不味いわけねーよ。ところでお前、麻婆豆腐でひーひー言ってたよな?」
「…ちゃうねん、あれな、うちにはちょっぴり辛いだけや。せやけどな、辛いけどめっちゃうまかったわ!…うち、なんか目覚めてもうたかもしれへんで?」
「ようこそ、こちらがわへ…あまりハマり過ぎるなよ?…お尻痛くなるからさ?」
「…うーん、せやけどあのあれや、辛うまっちゅうんか?…あれええやん、なんならおかわりしたかったぐらいやで? ほんでうちのお尻があかんかったらな、そら気合いが足りんとちゃいますか?」
「おい、気合いだけでどうにもならねえよ、このドM」
「どっ、ドMとちゃうわ!」
「「HAHAHA!」」
「ま、あの後にカニチャーハンを追加で頼むし、デザートもペロッといっちゃったし…本当、JKの胃袋は宇宙だね?」
「それな!…せやけど、体重計だけは堪忍してや?」
「あたしもそれには同意する」
「「HAHAHA!」」
「お土産もぎょうさん買ってもうたし、うちらの財布がすっからかんやで?…いや、まだ余裕はあんねんけどな」
「ま、たまには豪勢にいきたかったんだ。ウィラ、あたしのワガママにさ、付き合ってくれてありがとうな」
「ええんやで、うちもワガママ放題やし、ナギに世話なりっぱなしやからな?」
「ワガママ放題と言う自覚はあったんだな」
「うっさいわ!」
「「HAHAHA!」」
「冗談だ、ま、今日はお前をチャイナタウンに連れてきて良かったよ…」
「ナギ、ほんまにありがとうな。…そらええんやけど、なんで急に行こ思ったんや?」
「…ああ、親父が好きでさ、よく連れてって貰ったんだよ。もちろん家族全員で行くこともあったけど、思えば随分と可愛がられたもんだよな…」
「そっか…ナギも家族に愛されとるんやな」
「ああ、あたしもちょっと悪さするクソガキだったけどさ、それでも家族は見捨てないし変わらず愛してくれたんだ…」
「ええね、せやけどな、なんであんたはグレとったんや?」
「あー、それだけどさ、あたしが反抗期だったのもあるけど、まあ学校では目の敵にされてたし、それならいっそ…ってね?」
「そっちの期待に応えてどないすんねん?」
「「HAHAHA!」」
「ま、天の邪鬼なんだよ。何て言うかさ、あたしがなんでそうなったかってさ…そりゃ行き場のねえ奴もいたんだよ。だからさ、あたしが面倒見たくなったのもあるけど、いざ抜けるって考えるのは良いけどさ、こいつらはどうなる?…そう難しく考えちゃっただけの事さ」
「そっか…やっぱあんたおかんやな」
「だろ?…ま、今でも舎弟達とは連絡取ってるよ。意外と言ったらあれだけど、あたしと同じであいつらも真面目にやってるみたいだぜ?」
「なんか突っ込みたいんやけど、あんた真面目なんは事実やからな…委員長会議は完全に元ヤンやったけどな?」
「そう言うお前は任侠映画かよ?」
「「HAHAHA!」」
「ま、なかなか関西弁も便利やろ?」
「ああ、お前が生徒会長やりたがった理由もわかった気がしたよ」
「ふっふっふっ、ほぼうちらの要求通りになったんやからな?…最高に気分ええやろ?」
「性格悪いこと言うね?…ま、あたしもだけどさ」
「「HAHAHA!」」───。
◇
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