第58話 たまには中華を
◇
「ナギー!お疲れ様!乾杯!」
「お疲れ様、乾杯」
「ぷはー!…あかん、コーライッキすんのしんどっ!」
「気持ちはわかる、だけどたまにはいいよな?」
「せやせや…んっ…「おい、おっさん」…しゃーないやろ、下品なのわかっとっけど」
「「HAHAHA!」」
「全く、大人になったらこれがビールになっているんだろうな?」
「せやな、あっちのおっちゃんたちの宴会みてみ?あんな気持ちええ飲みっぷり、見てるこっちも楽しくなるで?」
「わかる、まあ大人になったらあたしらも楽しもうぜ?」
「ふっふっふっ、そん時はナギと一緒に楽しみたいわ」
「ああ、あたしもそう思うよ…よし、まずピータン豆腐か」
「いや、なかなか癖つよなん選んだな?うち、ピータンなんか初めてやで?」
「ああ、癖あるけど豆腐とお酢の効いた醤油だれとの組み合わせが乙だよ」
「あーむっ…んっ、あれや、アンモニア臭と温泉のにおいがするで?これ食べて平気なんか?食べ物なんやろうけど…ん、せやけど、この食感と奥行きのある旨味、ほんでこのクリーミーさがなかなか乙やな」
「うん、これが豆腐と合うからあたしは好きでさ、たまーに食べたくなるのさ」
「ナギの味覚、おっさんとちゃうか?」
「お前がお子ちゃま舌かと思ったら、案外あたしとあんま変わらねえだろ?」
「「HAHAHA!」」
「せやな。ふっふっふっ、ナギ、このよだれ鶏、うちめっちゃ好きやわ…せやけどこれ、油淋鶏や棒々鶏とはちゃうんか?」
「ああ、タレは似たようなもんだけど、油淋鶏は揚げた鶏肉、よだれ鶏は蒸した鶏肉って訳だ。棒々鶏は蒸し鶏にゴマだれかと思いきや、本来はカットの違いなんだってよ?」
「へえー、そうなんか、やっぱナギ凄いなあ…一緒にご飯いくといっつもおもろいわ」
「ああ、ラーメンも良いかなって思ったんだけどさ、今日は何となく中華って気分でね?」
「そらあんたな、ラーメン行こ言うて、なんでか知らんけどうちをチャイナタウンまで連れ回してな、何処のラーメン行くんやろな?と思ったら…全然ちゃうやん!そうはならんやろ!」
「「HAHAHA!」」
「いやさ、中華式の麺料理が食いたくなるじゃん?…色々あるんだぜ?あたしはかん水使ってない本来の中華麺が食いたくてさ」
「あんた、なに頼んだんやっけ?」
「麻婆豆腐と酢豚だな」
「いや、ラーメン頼んでないやん!」
「「HAHAHA!」」
「シェアするし、もしかしたらお前が頼むかもって思ってさ…ああ、ここの酢豚がうめえんだ…」
「そらわかる」
「で、肝心のお前はなに頼んだんだっけ?」
「青椒肉絲と鶏肉のカシューナッツ炒めやな。この彩りもええやん?」
「お前もラーメン気分はどこいったんだよ!」
「あんたが言うな!」
「「HAHAHA!」」
「ま、お前のチョイスもわかる」
「せやせや…おっ、うちの頼んだカシューナッツ炒め来たで…ナギ」
「なんだ?おっ、麻婆豆腐来たぞ」
「なんちゅーか…あれや」
「酢豚も、青椒肉絲も来たな。なんちゅーかって、中華だけに?」
「ちゃうわ!」
「「HAHAHA!」」
「ああ、お前の言いたいことはわかった」
「流石やで…そんなんええねん。これ…一皿一皿がデカイんとちゃうか?これ、うちら食いきれるんか?」
「ああ、あの時に小幡と飯富さん、あと土屋に声かけた方がよかったかもな」
「いっくらうちらが無敵のJKや言うてもな、所詮は小宇宙やで?」
「ま、確かにそうかもしれないが…案外いけちゃうもんだぜ?」
「せやな、悩んだってしゃーないしゃーない!…杏仁豆腐も食べたいんやけど、入るんかな?」
「あたしはマンゴープリンかな?」
「いや、デザートの話とちゃうねん」
「「HAHAHA!」」───。
◇
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