第54話 委員長会議 図書委員会の場合
◇
「…うちから図書委員会はんにな、いくつか提案があるんやけどええか?」
「はい、どうぞ…」
「あんたら、古本を処分するときどないしとるんや?…うちこの前な、ちらっとごみ捨て場見よったんやけど…、資源ゴミとして放ったやろ?…あんたらが選別してもあかんかったんならわかるんやけど、状態そのもんはサラと変わらんかったからな?…ケツ拭く紙にすんの早過ぎるんとちゃいますか?…そんなんしとったらな、あんたら勿体ないお化けに祟られてまうで?…ほんならバザー開いて売ってもええんとちゃうか?」
「おいおい、お前はチリ箱宰相か?」
「誰がHGの下駄やねん?」
「「HAHAHA!」」
「お前、遺族に怒られるぜ?…ぶふっ!」
「あんたもなに笑とるねん?うちは筋通すんやったらいくらでも話聞いたるから、図書委員長はんもそこんとこよろしゅうたのんます」
「は、はい…書記長さんも何かありますか?」
「あ?ああ、あたしからもいいか?…これまで通り新品の購入に拘らず、状態の良い中古品の購入、または調達も検討してくれ。絶版の本もあるだろ?」
「そうですね、書記長さんの言う通りです。…それで、図書委員会の予算を増やす代わりに、生徒会の要望も通してほしい…そう解釈してもよろしいですか?」
「せやで、うちもようリクエストしとる手前な、図書委員会はんの大変さは理解しとる。図書室を静かに利用出来へん礼儀作法のわからん猿もおるし、盗人まで出るんやからな。うちらないし、風紀委員会と連携せなあかんやろ?」
「窃盗と器物損壊、果ては詐欺まがいまでやる奴もいるんだ。予算は増やす、その代わり更に必要な分は工夫してくれ。もちろん生徒会としてもバックアップする」
「図書委員会としてはありがたい申し出です。バザーについては学園祭にて出店を検討します」
「ええね、その調子や。ほんならな、うちが言うてばかりであれやけど、図書委員会の活動内容をな、図書室に限定する自己完結型なのはええんや。せやけど、普段図書室を利用せんで要望だけは一丁前なのもおるやろ?そんなんで図書委員会のお願い言うても伝わらへんやろ?」
「ああ、むしろもっと外に向けて発信してほしい。図書委員長、図書室の本がどこからやって来るか、考えてみろよ?」
「…外から、ですね?…ふふっ、考えもしませんでした…。今度の生徒会は、ひと味もふた味も違いますね?」
「そら当然やろ?うちらは生徒の為にあるんやからな」
「ああ、そうだ…お前ら、絵本の読み聞かせなんてどうだ?もちろん郊外活動だけどさ、本に触れる機会、きっかけを与えるなら早いうちが良いだろ?」
「書記長さん、それもはや図書館の司書さんの仕事ですよ?」
「ナギ、あんた意外とノリノリなんとちゃうか?活字嫌ってそうなんやけどな…」
「おいおい、あくまでアイデアの一つさ?…おいウィラ、お前あたしをなんだと思っているんだ?別に活字は…」
「あんた、生徒手帳見て肩凝りと眠気がうんたら言うてたのを忘れたんか?」
「良い記憶力だ、新陳代謝が活発なあたしと大違いだ」
「肩凝りはこのチョモランマなメロンを出荷すれば解決やで?」
「出荷するな!」
「「「「HAHAHA!」」」」
「生徒会長さん、書記長さん、夫婦漫才はもう良いですから、図書委員会としては生徒会の提案に賛成しますので、どうかご助力をいただければと思います」
「ええんやで?ほんなら詳しい話はまた頼んます!」
「…はい、以上、図書委員会でした。よし、お前らいったん昼休憩入るぞ!」───。
◇
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