第53話 委員長会議 美化委員会の場合







「…美化委員会はん、あんたら予算についてなんも意見はあらへんのか?」


「現状の予算で概ね問題ないと判断します。生徒会長さんは何かありますか?」


「そらな、各クラス備え付けの掃除用具やけど、紙の上では数は揃っとる…せやけど、ほんまにチェックしたんか?まだ使えるかもわからんけどな、勿体ない精神で交換をケチっとったら効率落ちるんとちゃうか?」


「あたしからも予算の増額を提案したい。可能な限りやりくりして、出来れば学園内で自己完結したいが…、必要となる備品の買い時は必ず来る。そうだろ?」


「生徒会長さん、書記長さんの意見は尤もです。しかし、正直なところ予算の増額は想定していませんでしたよ」


「そらな、これまで少ない予算でやりくり出来てきたんやからな。そらそう思うかもしれへんけど、学園を綺麗に維持しとるあんたらも少しはリフレッシュせなあかんで?」


「過去のデータを見たが、集中豪雨で浸水したこともあるだろ?もしもの時は必ず来る、モップとドライワイパーの数にどうしても不安がある。状態はともかく、少しでも予備は確保したい」


「そこまで調べていただいたのですか…我々のリサーチ不足でした。もう一度チェックし、改めて目録を提出いたしますので、具体的な予算の話はその時でもよろしいですか?」


「ええで、学園の衛生の維持・向上に努めてくれるんやったらな、そらいくらでも相談にのるで?」


「古布の供出、リサイクルボックスの設置も生徒会として美化委員会に協力する。古布の再利用、及び加工に関しては、家庭科部としても全面的に協力したい」


「ありがとうございます。部長会議ではありませんのであえて述べませんでしたが、家庭科部に依頼と言う発想はありませんでした。美化委員会として協力諸々の申し出、重ねて感謝申し上げます」


「あんたらの努力の賜物や。謙遜するのもええけど、もっと誇ってもええんやで?」


「ああ、お前ら美化委員会の伝統技、ローリングサンダー床磨きだっけ?あれは学園紹介に掲載するべき技術だろ?」


「書記長さん、ローリングサンダー床磨きをご存じでしたか!?…あれは偉大なる先輩方から受け継ぐ伝統!我々美化委員会の誇りですので、お褒めあずかり光栄です!!」


「…いや、ナギ、美化委員会はん…ローリングサンダー床磨きってなんやねん?」


「「「「HAHAHA!」」」」


「…ウィラ、知らねえのか?ローリングサンダー床磨き…、あれは素晴らしいぜ?」


「書記長さんもマスターしているんですよね?我々美化委員会でももっぱらの噂ですよ!?」


「せやからな、あんたら…ローリングサンダー床磨きってなんやねん!?」


「「「「HAHAHA!」」」」


「今度お前にも教えてやるよ?」


「そらめっちゃ気になるなぁ…うちの家でも使えるんかな?」


「生徒会長さん、残念ながら家庭向きではありませんので…」


「そっかぁ…そら残念や」


「ああ、それよりもウィラ…お前は部屋の片付けを美化委員会に相談した方が良いんじゃないか?またお邪魔したらパンツ転がっているし…」


「それはいけませんね…もし、不要でしたら古布回収にでもいかがでしょう?」


「ちょっとあんたら!変なこと言わんといてな!?こらちゃうんや、うちは変態か!?」


「「「「HAHAHA!」」」」


「それじゃ、予算の見直しと掃除が苦手なウィラについての話はまた後程」


「うちのことはええやろ!ほな、次いくで!」


「「「「HAHAHA!」」」」───。





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