第52話 委員長会議 風紀委員の場合







「風紀委員会としては、予算の増額に感謝します」


「おう、その予算を使って武道系の部活、および部道経験者を優先して雇うと良い。…賃金に関する規定は資料を参照してくれ」


「交渉ならうちらも手伝うで?」


「ありがとうございます。資料を確認する範囲では妥当かと思います」


「風紀委員、委託先の活動日誌は必ず記帳してくれ。それが条件だ」


「せやせや。ほんで生徒会としての提案なんやけど、各武道系の部活の活動日を参照した上でな、道場、体育館のローテーションの兼ね合いでシフトを組んでいくんや。もちろん練習場所を確保出来んかったらな、そら校内、郊外と練習場所を求めるやろ?そこら辺の細かいルールを決めなあかんな」


「風紀委員も交代制でシフトを組むのが望ましいですし、少なくとも部活の練習場所周辺なら委託しても良いかもしれませんね」


「ああ、一応巡回してもらうが、必要なコミュニケーションを取ってもらうのが前提だ。ま、異常なしってなるだろうけどな」


「それな。とりあえず部活動の活動予定を参照にして巡回してもろて、人手が足りない分と空白地帯あったらその予算でカバーしとき」


「ええ、ありがとうございます。細かいところはまた後程、詰めていきましょう」


「せやな、うちらも全面バックアップするんやから、抑止力の向上に努めるようよろしゅうたのんます」


「備品の方もいくつか。もっとも、殆ど中古品や他の部活との共有となるが、色々とやりくりしながら上手くやってくれ」


「はい、了解しました。活動報告は毎度生徒会まで上げればいいんですね?」


「せやで、生徒会室は誰かしらおるようにするから、活動報告以外にもいつでも相談してな?」


「ま、お互い頑張ろうぜ?」


「ええ、頑張りますよ。特に生徒会室が一番治安悪そうですからね?」


「いや、風紀委員長はん、そらおかしいんとちゃうか?」


「「「「HAHAHA!」」」」


「おいおい、あたしらの見た目で判断するなよな?」


「せやで、うちらなんか悪いことしとったんか?」


「未だに頭髪規定と服装規定は有効ですからね?」


「清潔感のある髪型?…あたしはカチューシャ、またはバンドでオールバックにしているから問題ないだろ?それに綺麗で艶々な金髪だろ?」


「書記長、地毛と言い張るつもりで?…学生証拝見しても?それともわざわざ黒に染めていたとでも言うつもりで?」


「参ったな、こりゃ風紀委員の鏡だね?」


「「「「HAHAHA!」」」」


「うちの綺麗なブラオン、こら地毛やからな?」


「ええ、存じておりますよ。頭が固くて頭髪が逃げ出した奴に分けてやってくださいよ?あれでも風紀委員の顧問なんでね?」


「ほんなら育毛代の予算稼がんとあかんな?」


「「「「HAHAHA!」」」」


「冗談はともかく、この事は内密に…。校則の規定も生徒会長さんがおっしゃるように変えていきましょう。我々風紀委員の負担は減らしていきたいのでね?」


「ま、話がわかる奴でよかったよ」


「せやな、ほんなら詳しいことはまた頼んます」


「ええ、よろしくお願いいたします…あと一つ良いですか?」


「なんだ、お前はコロンボか?」


「古畑はんかもしれへんで?」


「「「HAHAHA!」」」


「絵面が面白かったので見逃しましたが、校内でのニケツはやめてくださいね?以上、風紀委員からのお願いです」


「「「HAHAHA!」」」


「あれ、見られとったんか…」


「目立たない方がおかしいよ…はい、それじゃ次の委員会、お願いします」───。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る