第46話 お面を被ったら







「ふっふっふっ、お面って便利やな。これナンパ予防に役立つんとちゃうか?」


「ああ、狐面を被ったキツネ顔美人ね…よく似合ってるよ」


「そらナギが選んでくれたんやから当然やろ」


「ああ、派手すぎず、それでいて奥ゆかしい感じで浴衣と調和している」


「ふっふっふっ、奥ゆかしい言うてうち、褒めごろしとちゃうか?そら、うちは気品に溢れておるからな」


「ああ、口を開けば性格悪くて厚かましいけどな」


「せやな!…って、なんでやねん!」


「「HAHAHA!」」


「お前が選んでくれた面、なかなか良いセンスだぜ?………般若面、よく似合うだろ?」


「そらあんた、鬼やから先祖帰りとちゃうか?」


「おう、ごらんの通り鬼は外だぜ?…おいウィラ、なんかお前の悪意を感じるんだけど?」


「豆投げたろか?」


「もう終わってる!」


「「HAHAHA!」」


「それ言うたらあんたもノリノリで被ってたんとちゃうか?お面屋のおばちゃん、めっちゃ笑っとったがな」


「ああ、今時古風なチョイスだからそりゃそうだ」


「なんならうちら、高身長やからか知らんけど、外人はんと勘違いされとったからな?日本語上手って褒められたの、うち初めてやで?」


「いや、お前、クォーターなの忘れてないか?」


「ほんまや!」


「「HAHAHA!」」


「おい、それより遊びの方はいいのか?」


「金魚すくいもええけどな、うちもって帰られへんで?飼えへんし、亀だってそうや。かわいそうと思うのは勝手やけど、そんなんとちゃうねん」


「ああ、それはわかる」


「遊ぶのはええけど、持ち帰れん、飼えへんからってな、その辺の池や川に放すわけにもいかんやろ?外来種放ったら在来種がどうなるかわからへんし、そうなったら生物多様性がめちゃくちゃになるんやから、そらあかんやろ?」


「外来種の駆除、根絶は簡単な問題じゃないからな…」


「ま、そんな真面目な話はええねん。ナギ、射的やらんか?」


「良いねえ、勝負でもする?」


「………そら遠慮するわ」


「おいおい、遠慮するなよ?」


「遠慮するで?あんたのリーチにうちが勝てる訳あらへんやろ!?」


「「HAHAHA!」」


「牛久大仏の不戦勝だな」


「それな!せやから適当に楽しむで。おっちゃーん!二人分な!」


「おっ、でっかい美人なねーちゃん達だな!?弾おまけしといてやるぜ!」


「おっちゃんありがとな!せやけどサービスし過ぎちゃうか?おっちゃんのタマが無くなってへんかうち心配やで?」


「ねーちゃん心配いらねえぜ?俺のじゃないからな!」


「「「HAHAHA!」」」


「全く、お前は絶好調だな…よし、これ狙うか」


「でっかいねーちゃん、それは勘弁してくれ…目玉商品が無くなったら商売あがったりだ」


「細工してあるから大丈夫だろ?」


「ねーちゃん、それ言っちゃおしまいよ?内緒だぞ?」


「「「HAHAHA!」」」


「ほんならうちは…エアガン狙ったろか?」


「捕ってどうするんだ?人に向けて撃つなよ?」


「そらあんたじゃあるまいし…あれや、装備をグレードアップするやろ?ほんでBB弾装填して撃つやろ?」


「ねーちゃん、それはおっちゃん商売あがったりだから勘弁してくれ」


「冗談や」


「「「HAHAHA!」」」───。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る