第45話 浴衣を着たら
◇
「ナギー!やっぱ夏はお祭りやな!」
「ああ、浴衣着て屋台巡りするの、ワクワクするよな」
「せやせや、りんご飴やろ?かき氷やろ?わたあめ、焼きとうもろこし、ベビーカステラ…どっから手ぇ付ければええんや?予算内で豪遊したるで!」
「あんまりはしゃぎ過ぎるなよ?」
「そういうあんたもほんま言うたら、羽目外したいんとちゃうか?」
「「HAHAHA!」」
「違いない…あれ、ウィラ、焼きそばにたこ焼き、お好み焼きとフランクフルトは?」
「そんなんどうでもええねん、うちからしたらバッタもんもええとこやろ?」
「「HAHAHA!」」
「これは手厳しいな。お祭りの雰囲気を味わえるんだからさ、あたしは嫌いじゃないんだけどな…」
「…ナギが食べる言うんやったら、うち前言撤回するで?」
「ああ、今度さ、お前のおすすめの店を教えてくれよ?」
「ええで!なんならまたうちが作ったるわ?バッタもんとちごうてほんまもんはな、ご飯のおかずやで?」
「おいおい、正気か?」
「「HAHAHA!」」
「そらあんた、うちの作ったそばめしも悪くなかったやろ?」
「ああ、あまり馴染みが無かったから未知との遭遇だぜ?…うまかったからさ、また作って欲しいよ」
「ふっふっふっ、粉もんを舐めたらあかんで?…ま、そうは言うてもな、おこのみはあんたからしたら山芋焼きやで?そらおかずになって当たり前やろ?」
「あーなるほどな、そう言うことか、納得した。それじゃあお前からしたらさ、こっちのお好み焼きは、ほぼ粉しか入ってないって事か?」
「せやで、うちのおこのみ食うたらな、そら驚くんとちゃうか? それ言うたらたこ焼きなんか食べてみ?ふわっふわのトロットロやで?」
「聞いているだけでお腹が減ってくるぜ」
「ま、ここは祭りを楽しむんやから言いっこなしや…あ、おっちゃーん!ベビーカステラ、大入りで頼んますわ!」
「おう!ねーちゃん元気で美人だからおまけだ!でっかいねーちゃんと分けるんだろ?」
「せやで!うちの牛久大仏はん、よう食うからお胸がチョモランマやで?」
「おいっ!」
「「「HAHAHA!」」」
「ほらっ、もってけ!いいもん見せてもらったからよ!俺からのサービスだ!」
「おいおいオヤジ、こんなにおまけしてもらって良いのか?」
「おうよ!でっかいねーちゃんに負けてられないからな!」
「ぱっつんぱっつんや!こんなおまけしてくれてありがとうな!…うちのここは負けっぱなしなんやけどな…」
「「「HAHAHA!」」」───。
◇
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