第44話 ビキニポリス







「全く、一時はどうなる事かと思ったよ」


「ん、なんの話や?」


「プール開放だよ、あたしらで貸し切り状態の撮影会だったからさ、客が来ねえんじゃねーかって心配したんだよ?」


「それな、撮影会終わるまで誰もけえへんかったな…あれやな、やっぱ手続き面倒にし過ぎたんとちゃうか?誰がやったんや?」


「お前だろ?」


「「HAHAHA!」」


「そらうちやけどな、おかげで客層はお上品やし、マナー守ってくれるんやからええやろ?真面目か」


「ま、おおむね想定通りの客層で変なのはいないな。面倒な分のセキュリティ効果もあって、口煩いだけのノータリンは口だけで来ねえからさ、上客のリピートも期待できて良いんじゃないか?」


「安心して儲けられるで?…せやけど儲けすぎたらあかんからな、そんなん雀の涙程度やで」


「さっきのグラビア撮影は?いったいどの口が言うんだ?」


「あんたもノリノリやったろ?」


「「HAHAHA!」」


「まあな、この水着…変じゃなかった?」


「変な訳あるか!手作りでこの出来やろ?高級なオーダーメイドと変わらんとちゃうか?」


「そりゃどうも。刺繍入れる余裕が無かったけど、トップスは何とか間に合ったよ」


「ふっふっふっ、おかげさまでナギとプールが楽しめるんや…ほんま、よう頑張ったんやな」


「おう、どうだ? ほどよい布面積のトライアングル、カラーは左右で白黒に分けたシンプルなツートンにしてみたよ。ボトムはウォーターデニムでかろうじてあたしのサイズに合うのがあった…セットだと本当に合うのが無いから、トップスだけは自作せざるおえないのさ」


「ほんまナギは凄いな…綺麗やで?」


「おいおい、照れるぜ?」


「せやけど…一個だけ気になるんやけど…ええか?」


「なんだ?」


「ハンダカラーはかっこええし、かわええんやけど………それ、パトカーとちゃうか?」


「「HAHAHA!」」


「…おい、言われるまで考えもしなかったよ?」


「うちもよう見るまでは考えつかんかったわ。あんた、白の方にな、赤いシミなんかつけたらあかんで?」


「Woo!…そこの性格の悪いドイツクォーター、止まりなさい、止まりなさーい…」


「性格悪いからって、うち捕まるんかい!」


「「HAHAHA!」」


「ほら、捕まえた!」


「うわっ、捕まってもうたわ…」


「ほら、おとなしくしろ?」


「ナギにバックハグされてな、逃げられるわけあるか!」


「おう、よくわかっているな?」


「うちが暴れたところでな、ナギのサービスショットがあるだけやろ?ポロリもあるで?」


「ビキニ相撲でワンピースはレギュレーション違反じゃないか?逮捕する!」


「あかん!めっちゃチョモランマ当たっとるがな!うち悲しくなってまうやろ!」


「いつも使っておいて何言ってるんだ?ほれほれ!」


「最高すぎるわ!せやけど腕の力強すぎるんとちゃうか?あんたはゴリラゴリラゴリラか!?」


「ゴリラゴリラゲリンベイかもしれないぜ?…って、誰がゴリラだ!」


「「HAHAHA!」」


『パシャ!パシャパシャパシャ!』


「大仏さん!生徒会長!自然ですごい良い構図ですよ!」


「あんたまだおったんかい!?高いで!」


「「「HAHAHA!」」」───。





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