第44話 ビキニポリス
◇
「全く、一時はどうなる事かと思ったよ」
「ん、なんの話や?」
「プール開放だよ、あたしらで貸し切り状態の撮影会だったからさ、客が来ねえんじゃねーかって心配したんだよ?」
「それな、撮影会終わるまで誰もけえへんかったな…あれやな、やっぱ手続き面倒にし過ぎたんとちゃうか?誰がやったんや?」
「お前だろ?」
「「HAHAHA!」」
「そらうちやけどな、おかげで客層はお上品やし、マナー守ってくれるんやからええやろ?真面目か」
「ま、おおむね想定通りの客層で変なのはいないな。面倒な分のセキュリティ効果もあって、口煩いだけのノータリンは口だけで来ねえからさ、上客のリピートも期待できて良いんじゃないか?」
「安心して儲けられるで?…せやけど儲けすぎたらあかんからな、そんなん雀の涙程度やで」
「さっきのグラビア撮影は?いったいどの口が言うんだ?」
「あんたもノリノリやったろ?」
「「HAHAHA!」」
「まあな、この水着…変じゃなかった?」
「変な訳あるか!手作りでこの出来やろ?高級なオーダーメイドと変わらんとちゃうか?」
「そりゃどうも。刺繍入れる余裕が無かったけど、トップスは何とか間に合ったよ」
「ふっふっふっ、おかげさまでナギとプールが楽しめるんや…ほんま、よう頑張ったんやな」
「おう、どうだ? ほどよい布面積のトライアングル、カラーは左右で白黒に分けたシンプルなツートンにしてみたよ。ボトムはウォーターデニムでかろうじてあたしのサイズに合うのがあった…セットだと本当に合うのが無いから、トップスだけは自作せざるおえないのさ」
「ほんまナギは凄いな…綺麗やで?」
「おいおい、照れるぜ?」
「せやけど…一個だけ気になるんやけど…ええか?」
「なんだ?」
「ハンダカラーはかっこええし、かわええんやけど………それ、パトカーとちゃうか?」
「「HAHAHA!」」
「…おい、言われるまで考えもしなかったよ?」
「うちもよう見るまでは考えつかんかったわ。あんた、白の方にな、赤いシミなんかつけたらあかんで?」
「Woo!…そこの性格の悪いドイツクォーター、止まりなさい、止まりなさーい…」
「性格悪いからって、うち捕まるんかい!」
「「HAHAHA!」」
「ほら、捕まえた!」
「うわっ、捕まってもうたわ…」
「ほら、おとなしくしろ?」
「ナギにバックハグされてな、逃げられるわけあるか!」
「おう、よくわかっているな?」
「うちが暴れたところでな、ナギのサービスショットがあるだけやろ?ポロリもあるで?」
「ビキニ相撲でワンピースはレギュレーション違反じゃないか?逮捕する!」
「あかん!めっちゃチョモランマ当たっとるがな!うち悲しくなってまうやろ!」
「いつも使っておいて何言ってるんだ?ほれほれ!」
「最高すぎるわ!せやけど腕の力強すぎるんとちゃうか?あんたはゴリラゴリラゴリラか!?」
「ゴリラゴリラゲリンベイかもしれないぜ?…って、誰がゴリラだ!」
「「HAHAHA!」」
『パシャ!パシャパシャパシャ!』
「大仏さん!生徒会長!自然ですごい良い構図ですよ!」
「あんたまだおったんかい!?高いで!」
「「「HAHAHA!」」」───。
◇
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