第40話 レディースデイズ
◇
「ナギ………」
「どうした?レディースデイの前倒しか?」
「ちゃうわ!もう終わっとるわ!」
「「HAHAHA!」」
「知ってるよ、冗談だ。それで神妙な顔してどうしたんだ?」
「そらあれや…なんて言うたらええんやろ…」
「おいおい、今から愛の告白か?」
「ちゃうわ!最後まで言わせんかい!」
「「HAHAHA!」」
「ああ、あたしが二週間ぐらい居ないのが寂しいってか?」
「せやせや、あんた地元に帰りたくない言うてるのにな、なんでなんやろ?…って、不思議に思っとったんや」
「ああ、お前には言ってなかったな?あたしさ、16歳になったから中免、いわゆる普通自動二輪免許を取りに行こうと思ってさ」
「ほうほう、そういやあんた誕生日迎えてたな?」
「そうそう、先日は祝ってくれてありがとう」
「ふっふっふっ、うちのサプライズ、最高やったろ?」
「ああ、嬉しかったよ!…お前がお徳用のクラッカーを全部ぶっぱなしたからさ、あとの掃除が大変だったけどな?」
「「HAHAHA!」」
「なんか後生大事にとっといてもな、しけてまうし、ほんなら景気よくいった方がええやろ?」
「ああ、よく苦情がこなかったものだよ」
「そらいっつもうちが転がり込んどるのに不思議なもんやで?」
「学園外で七不思議の追加か?」
「ほんならあと二つはどないする?」
「「HAHAHA!」」
「ま、そう言う訳だから実家に顔だして免許合宿を楽しんでくるさ」
「…連絡、してな?」
「するさ、お前がいないと物足りないからな?」
「ふっふっふっ、うちがおらんからって寂しがって泣いたらあかんで?」
「…さっきまでのお前はどうだったんだ?」
「「HAHAHA!」」
「ちゃうねん、そらうちやって寂しいんやけどな…あれや、ナギに依存ばっかしてもうたらあかんやろ?」
「ああ、あたしもそうだ…ま、お前も実家に帰ってさ、久々にしっかりもののお姉ちゃんを楽しみな?」
「せやせや、うちナギにいっぱい甘えたんやからな、妹ちゃんにお福分けせんと罰当たってまうで?」
「そうしてくれ。さ、やれることはやった。これで二学期から始まる生徒会の引き継ぎも大丈夫だろう」
「ほんまナギがおって助かったわ、いつもありがとうな」
「良いって、あたしもお前に助けられているんだからさ?」
「ふっふっふっ、そらお互い様や」
「ああ、さて…あたしは教習車とお友達になってくるか」
「…ところでナギ?」
「どうした?」
「あんた、二輪を運転したことはあるんか?」
「………」
「ナギぃ?目ぇ逸らさんといてこっち見ぃ?」
「ウィラ、今日も綺麗でかわいくて美しいな?」
「話逸らさんといてな?うち怒らんから正直に言うてみ?」
「………おかげで実技は問題ないぜ?」
「やっぱ乗ってたんかい!」
「「HAHAHA!」」───。
◇
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます