第39話 夏休みは計画立てよう







「ナギ!夏と言ったら?」


「あ?今日も暑いな」


「ちゃうねん!そんなんやのうて、なんか楽しいことあるやろ?」


「ああ、暑いね、それで?」


「いや、あんたノリ悪いんとちゃうか?夏と言ったらあれやろ、もっとこうな、楽しい定番のイベントがいっぱいあるやないか?」


「虫取り?」


「…いや、虫はちょっと勘弁してな?」


「楽しいイベントじゃないのか?」


「「HAHAHA!」」


「そらええねん、もっとこう…山や海やあれやろ?」


「モリチャバネ、フナムシがなんだって?」


「アホ!なんでや!そんなん聞いたらうちがゾワゾワしてまうやろ!?」


「「HAHAHA!」」


「悪い悪い。お前、本当カサカサ動くものが苦手だよな?」


「そら…あんなん気色悪いに決まっとるやろ!アホか!」


「まあそうなんだけどさ…ま、例えば将来お前が軍人になったとしよう。きっとカサカサ動く虫ごときに銃をぶっぱなしてしまうかもしれないな?」


「あんたそれ大げさ過ぎるわ!そんなんある訳ないやろ?」


「「HAHAHA!」」


「ま、陸軍だけはやめときな?」


「せやな…ほんで虫はもうええねん。夏と言ったらなんや?」


「スイカでも割るか?」


「おっ、ええな!早速園芸部に相談してスイカでも収穫しましょか?」


「ああ、カブトムシにあげたらもれなくお腹を壊して弱るぞ?」


「虫から離れんかーい!」


「「HAHAHA!」」


「まあスイカ割りは定番だな。祭りや花火に向けて浴衣でも買いにいく?」


「ええな!水着は買ったしな、あとはナギのが完成するまで待ち遠しいわ。ほんであんた浴衣のサイズは平気なんか?」


「ああ、そこは心配ない。今度実家に顔だした時に回収でもするさ」


「ほんならうちの分だけやな。ナギ、あんたセンスええんやから、かわええうちに似合う浴衣を選んで欲しいんや?」


「ああ、任せろよ。お前だったら白系に朝顔模様をあしらったものが良いんじゃないか?」


「おっ、早速ナギのセンスが光りますなあ」


「お前は美人でかわいいからな、派手すぎずの方が良い。帯は藤色、ライラック、スモークピンク、からし色あたりかな?…迷うな」


「ふっふっふっ、うちより迷っておるんとちゃいますか?」


「ああ、お前の性格の悪さをどう包み込もうか迷っているんだ」


「性格の悪さと帯は関係ないやろ!」


「「HAHAHA!」」


「ま、折角だ、生徒会の仕事を切り上げたらさ、昼飯ついでに見に行こうぜ?」


「賛成や…あっ、ついでにフードコートでかき氷食べへんか?」


「ああ、それも良いな。お前はなに味がいいんだ?」


「うちか?うちは…みぞれや」


「渋っ!」


「「HAHAHA!」」


「そら素材勝負やろ?」


「ああ、お前素材は良いからな…性格悪いけど」


「うっさいわ!」


「「HAHAHA!」」───。





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