第37話 リトルビッチ、街中でナンパされる
◇
「ナギ!ホルモン焼き最高やったわ!」
「おう、お互い食べ過ぎて財布が軽くなったけどな」
「そんなんええねん、あんたのおかげでうちもホルモンに目覚めたんやからな?」
「そいつはありがとう、あたしも気になっていたからな。本当、お前と来て良かったよ」
「ほんまやで?うちら女子やし、いくら無敵のJKやからって言うてもな、まだまだハードルが高いわ」
「そりゃお酒を飲むおっさんだらけだしな、店主が訝しむのも無理はないさ」
「大人になったらわかるんかな?」
「ああ、きっとそうだろうな…あたしらには早すぎる」
「あんたやったらもう飲んでいるんとちゃうか?」
「そりゃ正月に親戚が集まるとさ、味見ぐらいはするだろ?…ああ、耐性はあるけどまだまだ早いさ」
「うちも似たようなもんやったな…せやけど、うちらがこの先な、お酒飲むような年齢になったらもっと楽しいんかな?」
「さあな?それはわからない。だが、生徒会として他の委員、特に保険委員、養護教諭と連携して啓発すればショットガン・マリッジでブルーにならず済むんじゃないか?」
「せやな、お酒の失敗で人生台無しにしたくはないな」
「ああ、そんな事で天に召されたり、変な奴にヴァージンキラーなんかされるの、あたしは御免だぜ?」
「そらな、うちもしょーもない男に遊ばれとうないわ」
「だが、何とかは盲目らしいからな?」
「ふっふっふっ、せやな?…ナギー!うちを悪い虫から守ってくれへんか?うち美人でかわええからな、拐われてまうかもしれへんから手ぇ繋がなあかんで?」
「おいおい、烏龍茶とジュースで酔っぱらったか?」
「そらありえへんわ、まだおこちゃまやからそんなん知らんで?」
「そうだな、シラフで変な虫にヴァージンキラーされたら大変だ………あの子を抱くのも好きで~♪」
「おっ、SILVA姉さんか?中々渋いチョイスやな?」
「お前も知ってるのか?…あたしへの愛はキープで♪」
「好きだよ なんてたやすく「腕をまわさないで~♪」」
「「HAHAHA!」」
「あんたうちと音楽の趣味も合うんとちゃうか?」
「そうかもな、ああ~、カラオケ行きてえけど、あたしら未成年だからなぁ」
「うちも行きたいわ!せやけど時間も時間やし、また行けばええやろ?」
「そうだな。その時は昼からフリータイムで、喉枯らすまで歌おうぜ」
「賛成や!…しっかしあれや、あんたとくっついておったら…ナンパされへんな?」
「そりゃ牛久大仏様の加護だからな?」
「「HAHAHA!」」
「もう認めとるやん、ほんなら美女と野獣とちゃうか?」
「誰が野獣だよ!」
「うち猛獣使いやし、あんたと一緒で美人やからな?」
「おまけに性格も悪い」
「うっさいわ!」
「「HAHAHA!」」
「ま、そこらを歩いている女子と比べたらさ…あたしら明らかに等身おかしいからな」
「そらな、うちらだけネーデルラントみたいなもんやからな」
「確かに…あっ、なんか勇気ある男が近寄ってきたな…どうする?」
「そら決まっとるやろ?」
「そこの素敵なモデルのようなおねーさん達、ちょっと遊ばないかい?」
「Hey! Fuc* Away Dic* Face!(おい!あっちいけブサイク男!)」
「Leider have ich keine Zeit unt lust!(あんたに構っている時間も興味もないわ!)」
「うわっ!?すっ、すいません!なんでも無いです!………くそっ、外人かよ………」
「Screw you!(くたばれ!)」
「Leck mich am Arsch!(クソ食らえ!) Geh mir aus den Augen!(視界から消えろ!)」
「「………」」
「「HAHAHA!」」
「ナギ、そのスラング、あんた口悪すぎるんとちゃいますか?」
「そういうお前も何言ってるか知らねーけど、はっきりと言い過ぎなんじゃないか?」
「「HAHAHA!」」
「そらな、はっきりせんと面倒な事になるんやで?中々便利やろ?」
「ああ、あたしもよく使うさ」
「いや、あんたそれどこで覚えたんや?英語の授業で言ったらあかんで?」
「「HAHAHA!」」
「ああ、気を付けるさ…それよりも気分が最悪だ…ケーキでも買って帰るか」
「せやな、うちもナギと一緒に甘いもん食べて忘れましょか」
「さ、こんな時間だし、ガキンチョはうちに帰ってから続きといこうか!」
「Jawohl!」───。
◇
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます