第30話 生徒会室にて
◇
「ふっふっふっ、ナギ!」
「おう、ご機嫌だな?」
「当たり前や、うちが生徒会長になったんやから当然やろ?」
「ああ、生徒会長の椅子、座り心地はどうだい?」
「うーん、微妙やな…前任はんケツで磨きすぎとちゃうか?ツルッツルやで?」
「そりゃ大変だ、せいぜい滑り落ちないようにな?」
「「HAHAHA!」」
「ま、せっかくやし椅子ぐらい買ってもええやろ?」
「おいおい、まずやることあるだろ?…えっと、会計の飯富(オブ)さんからの資料を見る限りでは………おい、去年の学祭で素寒貧じゃねーかよ?」
「ほんまか?………うん、うち、ちょっとコピー取ってくるわ」
「ウィラ、頭が率先して動き過ぎるなよ?…庶務長の小山田さんに落とせ」
「ええんかな?そんなんうちが動いても変わらんとちゃうか?」
「いいんだよ、お前はいつでも動ける状態でどんと構えてろ?」
「あんたが言わんとしてるのもわかるわ。そらうちがな、チョロチョロ動いてばっかやとあれやもんな」
「ああ、他の役員を置く意味がないだろ?だが、最終的な決定権はお前のものだ」
「わかった、ほんなら生徒会内の仕事はみんなに割り振っとくで」
「そうしてくれ…さて、最初は引き継ぎだが、これはぐだぐだになるな…最初の定例会まで資料諸々間に合うか、これ?」
「資料も読み込まなあかんし、年度によってはただ予算食い潰したアホもおるし、まずは信用と財政回復に勤めんとあかんわ」
「ある意味であたしらが入ってよかったかもな」
「それな! あんたもあれや、普段は面倒くさがり屋のくせしてな、なんやかんやしっかりもので面倒見のええおかんやからな」
「なんかほっとけねーんだよ」
「それにあれやろ、あんたの演説もそうなんやけどな、そらおもろいし人気が出て当たり前やで?」
「ああ、おかげで家庭科部がいつも賑やかだよ。地味とか言ったの、どこのどいつだよ?」
「そらあんたもやろ?」
「「HAHAHA!」」
「ま、懲りねえ運動部もいるけどさ、おかげさまでようやく平穏な日々だよ」
「そらな、あまりの人気で書記を飛び越えて、書記長を譲られるって…あんた、そら忙しいし運動部も諦めるわ」
「ああ、それでも諦めない奴もいるけど」
「しゃーないしゃーない、そんなんオツムまで筋肉でわからんアホなんや」
「違いない」
「「HAHAHA!」」
「ま、うちらが生徒会役員なんやからな、この学園をようしとかんとあかんやろ?」
「ああ、このクソッタレな校則、生徒達の地位向上、そして判明した腐敗の大掃除…全く、忙しいったらありゃしないぜ?」
「せやせや、ナギがおらんかったらな…こらうちの心が折れてまうで?」
「おいおい、アソコにも心臓にも毛が生えてるお前がか?ご冗談を?」
「「HAHAHA!」」
「ちゃうねん、そらあれや…ナギ、あんたにしか見せてへんやろ?」
「あー、そう言えばそうだ、お前にも一応の恥じらいがあったのを忘れてたよ」
「忘れんといてな?」
「「HAHAHA!」」
「ま、それだけ信頼してくれるならさ、あたしだって悪い気はしないさ」
「ふっふっふっ、ナギも巻き込んで良かったわ」
「ああ、おかげてまっとうに楽しめるよ」───。
◇
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