第28話 ファンタスティックな結果







「ナギナギナギ!うちにもビックMAC一口くれへんか?」 


「ああ、良いけどチーズバーガーとあんま変わらなくないか?」


「そらあれや、ナギのビックMAC見たら…かぶり付きたくもなるやろ?」


「わかる、人が食ってるものってさ、おいしそうに見えるからな…で、お前はどこ見て言ってるんだ?」


「そらあんたの…いや、ビックMACちゃうな、こらメガMACやな…」


「…おっさんかよ」


「「HAHAHA!」」


「そらあんた、うちのチーズバーガーと比べたらあれやん?」


「気持ちはわかる…せめてネイビーバーガーって言ってほしかったよ」


「その物量、やっぱ米帝様やったか…」


「クォーターのお前がそれ言う?」


「いや、日独のどっちも負けたんやからしゃーないやろ?」


「「HAHAHA!」」


「ブラックユーモアだらけの世界史か?」


「ええやろ?なんも考えず教科書読み上げたって全然伝わらへんからな」


「ああ、おかげでどの教室も睡眠学習が一大ムーブメントだ。この事態に新人の生徒会長さんはどう考える?」


「そんなんすぐ対処出来るわけあるか!」


「確かに、それこそ生徒を纏めた米帝様にならないとな?」


「どっちかと言ったら人民軍かもしれへんな?」


「ああ、鉄砲玉は多いに越したことない」


「物騒な書記長はんやで、ほんま」


「「HAHAHA!」」


「ま、プレイスタイルは尊重しつつ、履修に影響が出ないように教員側、生徒側ですり合わせて落とし処に持っていかないとな」


「あんたもある意味おっさんやな」


「ああ、ガキ臭くねーって評判さ?」


「こないなガキンチョおっても困るわ!」


「「HAHAHA!」」


「ま、それよりもビックMACか、一口だけだぞ?」


「おっ、ダンケ!…あーむっ!………」


「大きく口開けて頬張って…本当、かわいいなお前」


「んーっ!むーむー!むーむー!」


「フラダンスでも始めるのか?」


「ぶふっ!んーっ!………」


「ほら、ファンタスティックなグレープで流せ?」


「んーっんーっ!…ふあぁ…ってアホ!うちを笑かさんといてな?危うく昇天してまうとこやったで?」


「誰が座布団運ぶんだ?」


「そのしょうてんちゃうわ!」


「「HAHAHA!」」


「悪い悪い、そういやお前、ファンタスティックなグレープ…好きなのか?」


「いや、何となくやで?うちのドイッチュラントの血が選んだんとちゃうか?」


「へー…え、もしかしてファンタスティックな飲料って、ドイッチュラント発祥!?」


「せやで、昔ナチの豚共のおかげでな、米帝様からコーラの原液が輸入出来なくなったんやからな」


「それで似たようなものを作ったって訳か?」


「せやで、一つ勉強になったやろ?」


「ああ、流石賢いウィラちゃんだ…もうお前が授業やればいいんじゃないか?」


「「HAHAHA!」」


「うち教員免許持っとらんし、ほんなら学活の時間増やさなあかんな」


「イベントが多い学校だからな、確かに増枠は必要だ」


「せやせや、そらナギも疲れ果ててまう訳や」


「お前のバイタリティーが羨ましいよ」


「そらあれよ、うちはナギ分の補給しとるから潤ってるんやで?」


「なるほどね、まあいいさ…ところで、この後はどこ行く?」


「ナギとならうち、何処でも行ったるで?」


「おう、じゃあ地獄でもご一緒するか?」


「あ、そら遠慮するわ、うち天国の方がええし」


「おい!」


「「HAHAHA!」」───。




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