第28話 ファンタスティックな結果
◇
「ナギナギナギ!うちにもビックMAC一口くれへんか?」
「ああ、良いけどチーズバーガーとあんま変わらなくないか?」
「そらあれや、ナギのビックMAC見たら…かぶり付きたくもなるやろ?」
「わかる、人が食ってるものってさ、おいしそうに見えるからな…で、お前はどこ見て言ってるんだ?」
「そらあんたの…いや、ビックMACちゃうな、こらメガMACやな…」
「…おっさんかよ」
「「HAHAHA!」」
「そらあんた、うちのチーズバーガーと比べたらあれやん?」
「気持ちはわかる…せめてネイビーバーガーって言ってほしかったよ」
「その物量、やっぱ米帝様やったか…」
「クォーターのお前がそれ言う?」
「いや、日独のどっちも負けたんやからしゃーないやろ?」
「「HAHAHA!」」
「ブラックユーモアだらけの世界史か?」
「ええやろ?なんも考えず教科書読み上げたって全然伝わらへんからな」
「ああ、おかげでどの教室も睡眠学習が一大ムーブメントだ。この事態に新人の生徒会長さんはどう考える?」
「そんなんすぐ対処出来るわけあるか!」
「確かに、それこそ生徒を纏めた米帝様にならないとな?」
「どっちかと言ったら人民軍かもしれへんな?」
「ああ、鉄砲玉は多いに越したことない」
「物騒な書記長はんやで、ほんま」
「「HAHAHA!」」
「ま、プレイスタイルは尊重しつつ、履修に影響が出ないように教員側、生徒側ですり合わせて落とし処に持っていかないとな」
「あんたもある意味おっさんやな」
「ああ、ガキ臭くねーって評判さ?」
「こないなガキンチョおっても困るわ!」
「「HAHAHA!」」
「ま、それよりもビックMACか、一口だけだぞ?」
「おっ、ダンケ!…あーむっ!………」
「大きく口開けて頬張って…本当、かわいいなお前」
「んーっ!むーむー!むーむー!」
「フラダンスでも始めるのか?」
「ぶふっ!んーっ!………」
「ほら、ファンタスティックなグレープで流せ?」
「んーっんーっ!…ふあぁ…ってアホ!うちを笑かさんといてな?危うく昇天してまうとこやったで?」
「誰が座布団運ぶんだ?」
「そのしょうてんちゃうわ!」
「「HAHAHA!」」
「悪い悪い、そういやお前、ファンタスティックなグレープ…好きなのか?」
「いや、何となくやで?うちのドイッチュラントの血が選んだんとちゃうか?」
「へー…え、もしかしてファンタスティックな飲料って、ドイッチュラント発祥!?」
「せやで、昔ナチの豚共のおかげでな、米帝様からコーラの原液が輸入出来なくなったんやからな」
「それで似たようなものを作ったって訳か?」
「せやで、一つ勉強になったやろ?」
「ああ、流石賢いウィラちゃんだ…もうお前が授業やればいいんじゃないか?」
「「HAHAHA!」」
「うち教員免許持っとらんし、ほんなら学活の時間増やさなあかんな」
「イベントが多い学校だからな、確かに増枠は必要だ」
「せやせや、そらナギも疲れ果ててまう訳や」
「お前のバイタリティーが羨ましいよ」
「そらあれよ、うちはナギ分の補給しとるから潤ってるんやで?」
「なるほどね、まあいいさ…ところで、この後はどこ行く?」
「ナギとならうち、何処でも行ったるで?」
「おう、じゃあ地獄でもご一緒するか?」
「あ、そら遠慮するわ、うち天国の方がええし」
「おい!」
「「HAHAHA!」」───。
◇
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