第24話 willa







「うちの名前の由来か? そら何事にもパワフルで熱心でな、陽気で感情豊かな意志の強い女の子になって欲しいんやろな。うちまんまやろ?」


「ああ、わがまま放題のお嬢様に育ったね」


「「HAHAHA!」」


「ナギ、そらちょっとひどない? うちがちょびっと傍若無人なのは事実かもしれへんけど」


「認めているじゃないか、あたしの辞書に載ってるのはな、"傍若無人"と書いてウィラと読むんだぜ?それもどこがちょびっとだ?」


「そらあんたもやろ?」


「違いない」


「「HAHAHA!」」


「そらええんや、うちこの性格な、結構気に入っとるんやで?…ナギやってそうなんやろ?」


「ああ、お気に入りだよ、この性格の悪さがたまらねぇぜ」


「性格悪いのは余計や!」


「「HAHAHA!」」


「ま、冗談はともかくさ、何事にも熱心で陽気で感情豊か、おまけに意思と意志の強い女だからお前の事を気に入っているんだ」


「ふふっ、照れるわぁ…、うちまた告られとるんとちゃうか?どないしよ…せやけどナギはうちのおかんやし…」


「好きにしろよ、お前におかん扱いされているのは相変わらずか…」


「そらな、いくらうちがかわええからってな、あんた面倒見が良すぎとちゃいますか?」


「元からだよ、苦でもねえし歳の近い妹が出来た気分だからさ、あたしは嬉しいよ」


「ナギ………」


「なにしんみりしているんだよ?お前らしくもない」


「いや、ナギやったら王子様扱いで終わってまうやろからな?」


「おう、そんなに王子さまの目覚めのキスとやらが良いというなら、いっぺん毒リンゴでも食って眠るか?永遠に」


「それな、台本上仕方あらへんけどあんたは魔女なのか、王子様なのかはっきりしぃ!はしょり過ぎてそれただの脅迫とちゃうか?」


「「HAHAHA!」」


「なに、あたしはどっちもいけるぜ?力ずくも搦め手もな?」


「…ナギ、あんたがそれ言うとちょっと笑えへんで?」


「冗談だ、実は武道を嗜んでいたお前らしくないな?」


「…いや、それわかるのも凄いんやけどな、うちが傍若無人に振る舞って…ほんまにええんか?…って、悩むこともあるんや…」


「…なるほどね、しっかり者のお姉ちゃんらしいね?」


「凄っ!?…なんでわかったん?あんたエスパーかいな?」


「ウィラ、あたしがスーツケースに入れるわけねーだろ?」


「そっちのエスパーちゃうわ!」


「「HAHAHA!」」


「ま、あたしも姉をやってるからわかるんだよ。お前は真面目ちゃんで根が優しいからな、我慢していたところもあってかちょっと甘え下手だったり、遠慮と言うか躊躇しているところもあるし、どっかでブレーキが掛かっているように見えてね?」


「…ナギはええんか?」


「良いんだよ、その時はウィラに存分に甘えさせてもらうぜ?」


「…ふふっ、そん時はうちの胸貸したるで?高いで?」


「ああ、精々お胸の成長に期待しておくよ」


「うっさいわ!あんたは規格外過ぎるやろ!」


「「HAHAHA!」」


「ま、お前は気にせずあるがままに…それで良い」


「ふふっ、ありがとう…ナギ。心の底から」


「良いって…よし、今日はバーレスクでもレンタルするか」───。




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