第10話 ここはキャバレーのバックヤードか?
◇
「ナギ、あんた今日は指され過ぎとちゃうか?」
「あ? あたしはまだ処女だよ?」
「あほ!そっちの刺すちゃうわ!」
「「HAHAHA!」」
「冗談だ。あれか?あたしへのご指名が多いってか?」
「せやせや、今日の指名ナンバーワンやで?」
「おいおい、ここはキャバレーかよ?」
「「HAHAHA!」」
「そらな、おっちゃん先生たちに指名されとったからな?」
「金にならねえんだよ、あの素寒貧ども。あぁやってらんね」
「「HAHAHA!」」
「あんたは目立ちよるからな、しゃーないしゃーない」
「逆にお前は外人扱いのままだろ?」
「せやで、先生方がいっつもおっかなびっくりなんやで?うち日本語大丈夫言うてるのにな…」
「いや、お前が頭髪の事言われたらドイツ語で捲し立てたからだろ?あの厳つい体育教師がタジタジだったぜ?」
「そらな、うちは地毛言うとるがな?あのゴリラゴリラゴリラな、親からもうた地毛をどこに放ったんや? 親泣くで?」
「泣きたいのはそのゴリラの方だよ」
「「HAHAHA!」」
「そらオツムもべべ掴んで投げるゴリラゴリラゴリラかもしれへんけどな…」
「おーい、レディがうん〇関連を言うな」
「あんたはうん◯言うてええんかい?」
「「HAHAHA!」」
「ま、その体育教師も未知との遭遇を前にしては人の子だったな」
「せやせや、オツムがゴリラゴリラゴリラでもな、一応人間なんやから人の身体的特徴をいじったらあかんわ」
「お前が言うな!」
「「HAHAHA!」」
「うちも気ぃ遣ってるんやで? 例えばな、うちの教頭先生なんかはレーヴェンツァーン(タンポポ)の綿毛を吹いたような頭しとるやろ?」
「ドイツ語混じりの遠回しな言い方だけどな、それ単にHG散らかしているって言いたいだけだろ!?」
「「HAHAHA!」」
「バレてもうたか、せやけどオブラートに包まなあかんやろ?」
「オブラートに毒盛ってどうするんだよ?」
「「HAHAHA!」」
「そらあれよ、言葉遊びや…知らんけど」
「ま、言葉遊びと火遊びは程ほどにな?」
「うちは処女やから火遊びなんて知らんで?」
「よう、ブルータス?」
「「HAHAHA!」」
「そういや次の授業は美術やったな? 自画像か? ふふっ、そんなんやるならうちをモデルにすればええのにな。ほんならうちは楽チンや」
「オーケーウィラ、そこまで言うならお前をパブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・クリスピン・クリスピアーノ・デ・ラ・サンディシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ風に描いてやるよ?」
「長っ!」
「「HAHAHA!」」
「泣く女風に描いてな、あたしの力作を拝んだお前の泣き顔が楽しみだぜ?」
「そんなんされたらな、笑いすぎてお腹痛なるやろ!」
「おいおい、イカれてるぜ…」
「「HAHAHA!」」───。
◇
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