The first term

第7話 それはプロポーズか?







「ナギ、あんたやっぱうちのおかんやろ?」


「あ? つべこべ言ってないで食えよ? なんだ、お前パン派か?」


「パンもエエな。せやけどうち朝はご飯派なんやで?」


「なら良かった…、本当にドイッチュラント?」


「気にしたらあかん、それよかナギの作るご飯がめっちゃおいしいで」


「そいつはどうも」


「これな、目玉焼きの焼き加減なんか絶妙にしっとりでたまりませんな。よううちの好み知っとるな?やっぱ前世で結ばれとったとちゃうか?」


「はいはい、ウィラと好みが同じだったなんてね、そりゃ奇遇だね」


「なんやナギ、朝からテンション低いとちゃうか?」


「お前が高いだけだ、羨ましいぜ全く…」


「ちゃうねん、いつもはこう…あれや、うち意外と朝弱いんや」


「あぁ、確かに中々起きなかったな」


「せやろせやろ?そらうちは天使やからな、かわええ寝顔やったろ?」


「ああ、口を開けばこの通りのペテン師だけどな?」


「うっさいわ!」


「「HAHAHA!」」


「お前、本当に一人暮らししても大丈夫なのか?」


「おかんや…」


「「HAHAHA!」」


「そりゃ少しは心配するさ、まぁ余計なお世話かもしれないけど」


「そら遅かれ早かれ一人立ちせなあかん、ちょっと早めに冒険しただけや。意外かもしれへんけどうちな、今まで遅刻はゼロやで?」


「へぇ、それは意外だ…」


「ナギはどうなん?」


「あたしが真っ直ぐ学校に向かうような真面目に見えるか?」


「いや、行かないんかい!」


「「HAHAHA!」」


「ま、かわいいウィラちゃんを不良娘にするわけにはいかないからな。あたしも真面目に登校しよう」


「それがええ。ナギおらんとうち心細くてかなわへん」


「お前のメンタルなら何ら問題無いだろ?」


「せやな、うちはアソコにも心臓にもお毛毛生えとるからな?」


「朝から何言ってんだよ?」


「「HAHAHA!」」


「夜やったらええんか?」


「ま、あまり関係ないか。ごちそうさま」


「ナギ、食べるの早いわ!ちょっと待ってな…」


「慌てなくていいぞ。まだ時間あるし」


「ほんま、朝ってなんでこんな時間経つん早いんやろな?」


「さぁ?不思議だよな」


「せやせや。うちはナギの作るおいしいご飯をもっと味わって食べたいわ」


「そりゃどうも、また作ってやるさ」


「ほんま?」


「あぁ、お前は本当美味しそうに食べてくれるからな、作りがいがあるよ」


「ふふっ…ナギの作ったお味噌汁、毎日飲みたいわ」


「おい、プロポーズかよ!?」


「「HAHAHA!」」


「そらそれでええかもな?このままおばはんになってもうたら、うちの事貰ってくれる?」


「ああ、考えとくけど明日の事すらわかんねぇからな。約束は出来ねえよ?」


「ええやん、そげな未来もあるかもわからんやろ?…ごちそうさま、美味しかったで!」


「はいはい、お粗末様。…あとはやるから準備だけしとけよ」


「ありがとう、ほんまええおかんや」


「うちの娘がお世話になっております」


「「HAHAHA!」」───。





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