The first term
第7話 それはプロポーズか?
◇
「ナギ、あんたやっぱうちのおかんやろ?」
「あ? つべこべ言ってないで食えよ? なんだ、お前パン派か?」
「パンもエエな。せやけどうち朝はご飯派なんやで?」
「なら良かった…、本当にドイッチュラント?」
「気にしたらあかん、それよかナギの作るご飯がめっちゃおいしいで」
「そいつはどうも」
「これな、目玉焼きの焼き加減なんか絶妙にしっとりでたまりませんな。よううちの好み知っとるな?やっぱ前世で結ばれとったとちゃうか?」
「はいはい、ウィラと好みが同じだったなんてね、そりゃ奇遇だね」
「なんやナギ、朝からテンション低いとちゃうか?」
「お前が高いだけだ、羨ましいぜ全く…」
「ちゃうねん、いつもはこう…あれや、うち意外と朝弱いんや」
「あぁ、確かに中々起きなかったな」
「せやろせやろ?そらうちは天使やからな、かわええ寝顔やったろ?」
「ああ、口を開けばこの通りのペテン師だけどな?」
「うっさいわ!」
「「HAHAHA!」」
「お前、本当に一人暮らししても大丈夫なのか?」
「おかんや…」
「「HAHAHA!」」
「そりゃ少しは心配するさ、まぁ余計なお世話かもしれないけど」
「そら遅かれ早かれ一人立ちせなあかん、ちょっと早めに冒険しただけや。意外かもしれへんけどうちな、今まで遅刻はゼロやで?」
「へぇ、それは意外だ…」
「ナギはどうなん?」
「あたしが真っ直ぐ学校に向かうような真面目に見えるか?」
「いや、行かないんかい!」
「「HAHAHA!」」
「ま、かわいいウィラちゃんを不良娘にするわけにはいかないからな。あたしも真面目に登校しよう」
「それがええ。ナギおらんとうち心細くてかなわへん」
「お前のメンタルなら何ら問題無いだろ?」
「せやな、うちはアソコにも心臓にもお毛毛生えとるからな?」
「朝から何言ってんだよ?」
「「HAHAHA!」」
「夜やったらええんか?」
「ま、あまり関係ないか。ごちそうさま」
「ナギ、食べるの早いわ!ちょっと待ってな…」
「慌てなくていいぞ。まだ時間あるし」
「ほんま、朝ってなんでこんな時間経つん早いんやろな?」
「さぁ?不思議だよな」
「せやせや。うちはナギの作るおいしいご飯をもっと味わって食べたいわ」
「そりゃどうも、また作ってやるさ」
「ほんま?」
「あぁ、お前は本当美味しそうに食べてくれるからな、作りがいがあるよ」
「ふふっ…ナギの作ったお味噌汁、毎日飲みたいわ」
「おい、プロポーズかよ!?」
「「HAHAHA!」」
「そらそれでええかもな?このままおばはんになってもうたら、うちの事貰ってくれる?」
「ああ、考えとくけど明日の事すらわかんねぇからな。約束は出来ねえよ?」
「ええやん、そげな未来もあるかもわからんやろ?…ごちそうさま、美味しかったで!」
「はいはい、お粗末様。…あとはやるから準備だけしとけよ」
「ありがとう、ほんまええおかんや」
「うちの娘がお世話になっております」
「「HAHAHA!」」───。
◇
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