第4話
お母さんのやつ! わたしはこんなに元気なのに、余計なことを! もう哲司とは子供の頃みたいに関わりないのに。ベートーヴェンとの仲も邪魔されるし、知ったような口利かれるし、なんかもう我慢できない。馬鹿らしい。
「お、おい、どこ行くんだよ?」
「帰る」
「は? まだ授業残ってるぞ?」
哲司はおろおろしてる。けど、わたしはカバンを手に、教室を出た。
「えっ!? おい? まじで?」
哲司の声が後ろから聞こえたけど、そんなこと知ったこっちゃない。
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