第5話 どら焼き屋

ベンチャー企業というものが広く認知されて久しい。基本的にはベンチャー企業というのはスタートからすぐに潰れるのだが、生き残った稀有な会社の社長が豪傑の金魚の糞なのだそうだ。それではなぜ今も豪傑にビビって生きているのかというと、会社の表の顔は意地悪そうに笑っている男が、裏の顔は豪傑が取り仕切っているかららしい。21歳にもなると生々しくなってくる。事業内容はどら焼きの製造・販売とガールズバー経営である。どうにも後者との相性が悪い気がするので不思議に思っていたところ、首が回らなくなったサイレント嬢に店を持たせてくれたのだそうだ。なお、最初はデリヘルにする予定だったらしいが相方が頼み込み、ガールズバーで勘弁してもらえたらしい。そのため相方に頭が上がらないサイレント嬢は、覗き趣味の変態野郎である相方に風呂を覗かせ、今に至っている。もちろんベンチャーや豪傑との間に何かがないかといえば、それは怪しいところだ。サイレント嬢が金を借りた先は豪傑が経営する金融会社だからだ。学校の名前こそ知られていないが、小田昭次第二大学では商売のセンスを磨けるようだ。

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