第20話、レインの気持ち

 夜、日もすっかり暮れた頃。大体7時前くらいかな?僕はレインをんで夜の河原に二人座っていた。夜の森はとてもくらいけど、川の水が月明りを反射してそこそこの明るさはたもっている。

「えっと、こんな時間に何か用事ようじ?」

「うん、この際だからレインとはなし合っておこうと思って」

「私と?」

 僕はうんとうなずいた。

 やっぱり、こういうのは分かっていても気恥きはずかしい。けど、こういうのは早めに言うにしたことはないだろうから。

 だから、僕はレインに向き直って言った。気恥ずかしさをし殺して。

「えっとね、僕はレインの事が大好だいすきだよ?」

「うん、知ってるよ?」

「……けど、レインはたまにそれをうたがっているよね?」

「……………………」

「僕がほかの人と話している時、たまに不機嫌ふきげんになるのはそういう事じゃないかな?」

「……ちがうよ?けど」

「……けど?」

 レインは涙目なみだめだった。けど、少しねつっぽい表情で僕を見ている。

 思わず、ドキッとしてしまうような表情かおだ。

「わたしはれーの事が大好き。だけど、れーが他の人に笑顔を向けている時、れーが他の人から好意を向けられている時に時々胸のおくがもやもやするの」

「…………」

「……私は、きっとれーが思っている以上に独占欲どくせんよくが強いんだと思う。れーを独り占めにしたいという気持ちがつよいんだと思う。けど、れーは皆と仲良くしたい。それがとてもかなしいんだ」

「……そう、じゃあありがとう」

「…………どうして、おれいを言うの?」

 少し不機嫌そうにレインが聞いてきた。そんなレインを、僕はそっとき締める。

「レインがそこまで僕の事をおもってくれていて、僕はうれしいよ。うん、確かに僕は皆と仲良くしたい。けど、それ以上に僕はレインの事が大好だいすきだよ?」

「れー……」

「……うん、決めたよ。レイン、今回の件が終わって竜種ドラゴンの皆に僕達の事が認められたら結婚けっこんしよう」

「っ‼」

 僕の言葉に、レインは顔を真っ赤に染めた。僕だって、かなりずかしい。

 けど、そんな恥ずかしさをおさえて僕は更に言った。

「レインが僕を独占したい気持ちはとてもうれしい。そこまで想ってくれて、僕はとても嬉しいと思う。だから、僕は今回の事がわって全部片付いたらレインと結婚しようと思う。僕は、レインのものになるよ」

「っ、れー‼」

 レインは感極かんきわまったのか、心底から嬉しそうに僕にき付いた。

 レインの強い力で、少し苦しいけど我慢がまんする。これは、きっと今までレインを寂しい思いにさせていた僕がわるいだろうから。

 だから、これは僕が受けるべきくるしみだろうと思う。

「れー、大好き‼れーは私のもの、私はれーのもの‼ずっとずっと、一緒いっしょだから‼」

「うん、僕も大好きだよ。レインとずっと一緒だ」

 そうして、月明りの下で僕達はき締め合った。やっぱり少しくるしい。

 ハーフとはいえ、竜種は力がつよい。

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