第14話、邪神は逃げ出した!しかし回り込まれた!

 気付きづけば、黒いローブのヒトは地にして倒れていた。傍にはレインが何時の間に持っていたのか?一振りのけんを手に、黒いローブのヒトに突き付けていた。

 ……とにもかくにも、はなし掛けてみる。

「……えっと、大丈夫だいじょうぶですか?」

「……うむ、問題もんだいない。それよりこの剣呑けんのんな少女を止めてはくれんか?」

「あ、はい……レイン?とにかくこのヒトと話したいから剣をのけてくれないかな」

「……………………」

 レインは黙って剣をろす。黒いローブのヒトはだまって立ち上がると、ローブに付いたホコリを払い、仮面かめんを掛け直してからリテイク。

 ふははと高笑たかわらいして、僕をびしっと指差した。

「ひっかかったな!貴様きさまを殺して至高神にそのくびを突き出してくれる!」

「させると思う?」

 瞬間、再び黒いローブのヒトは地に伏せた。今度は三割増しでホコリまみれとなって黒いローブもボロボロになっていた。

 仮面も僅かにヒビが入り、少し物悲しそうな雰囲気をまとっていた。うん、さすがに少しだけあわれに思える。気がする……かもしれない?

 う~ん?

「くっ、おのれえ……何故なぜ、神たる我がこのような小娘に…………」

小娘こむすめで悪かったね。これでも私は竜種ドラゴンの血を引くハーフドラゴンよ」

「くっ!」

 ばっと勢いよく起き上がり、黒いローブのヒトはそのままげだそうとした。しかしそれでもレインにとってはおそいのだろうと思う。

 気付けば、再び同じ場所にもどり地に伏せている黒いローブのヒトだった。

「な、なぜえええええええええええええええっっ‼‼」

 さけぶ黒いローブのヒト。今度こそげられないよう、黒いローブのヒトを魔法で取り出したくさりで固く縛るレイン。そんなレインを呆然と見ているクロとハク、ミィ。

 そして、僕はこの光景を見てつぶやいた。

「そう言えばば、前世ぜんせでよくやったゲームに似た場面があったね。確か、逃げる選択をしたらまわり込まれるパターンかな?」

「……レイ、結構けっこうのんき?」

 ミィに突っ込まれた。うん、ごめん。

 まあ、とにもかくにもきたい事はあるよね?

「えっと、そこの黒いローブのヒト?そのままで良いから話をいてくれる?」

「う、うむ……」

 僕の言葉と共に、レインが剣の刃先はさきを首元に突き付ける。少しかわいそうにも思えるけど、話が進まないのでこのままつづけることにする。

「えっと、確かさっき自分の事を神様かみさまだと言っていたよね?それで、至高神に僕の首を差し出すって。それってどういう事かな?」

「うむ、まず我がはムー=マイム=ムー。神界を追放ついほうされた邪神だ」

「えっと、その邪神様がどうしてぼくを殺そうとしたのかな?やっぱり、自分を追放したうらみとか?」

「いや、ただ単純に邪神としての趣味しゅみだ」

 その瞬間、邪神ムーはレインにぼこぼこにり倒されていた。ついでに、ミィやクロにハクまでざってムーをぼこぼこにしていた。

 うん、邪神ってなんだろうね?神様の威厳いげんってなんだろうね?

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