一章
第7話、魔狼の番と果樹林
しばらく歩いていると、目の前に
この二匹の狼が、番の
「えっと、こんにちわ?」
「小僧ども、一体この
どうやら話は通じるらしい。しかし、かなり気が立っているのか牙を
僕は、
「一体何のつもりだ?
「いや、僕達に戦う意思がない事を示そうかと思って?」
「私達を
「えっと?此処の
「
その言葉を聞き、僕はレインを呼び二人で話し合う。
「えっと、レインはどう思う?この
「うん、そうだね。正直此処の果実は欲しいけど、
「じゃあ、此処を去って別の場所を
「そうしようか。れーには悪いと思うけど……」
「別に良いよ。むしろ、レインは
「私も、大丈夫だよ」
レインと話を付け、再び二匹と向き合う。
そんな狼達に、僕は一言謝罪した。
「ごめんなさい、僕達は君達の
「……なら、
「うん、君達が
「……………………」
僕とレインは、揃ってその場を立ち去ろうとする。しかし、少し果樹園を
振り返ると、狼達がプルの実をそれぞれ一つずつくわえて立っていた。そして、その果実を僕とレインに押し付ける。どうやらくれるらしい。
「えっと?」
「
「……良いの?君達の
「少し、思い出したのだ。かつて、主が亡くなる直前に言っていた事を。自分が亡くなった時はもう、自分への
そう言って、黒い雄狼は少し
まあ、
「けど、恩があったんでしょ?だったら……」
「もう、良いのだ。分かっていたのだ、もう主は
「……そう、君達はこれからどうするの?」
「私達は、これから主に言われた通り好きに
そう言う白い雌狼はやはり寂しそうだった。
僕はしばらく考えた後、レインを見た。レインは僕の言いたい事を
「ねえ、もし君達がよかったら僕とレインに付いてこない?」
「……何?」
「僕とレインは
「まあ、この程度ならギリギリ
「じゃあ、決まりだね。あとは君達の意思次第だよ?」
「……………………」
二匹は互いに顔を見合わせ、何事か
「お前達が良いのなら、どうか私達を
「これからは、私達は貴方達を新たな主と
その言葉に、僕とレインは互いに
「うん、じゃあこれからよろしくね?」
「これからは
・・・ ・・・ ・・・
「あれは良いの?
「構わない、あの子が言った通りあれならギリギリ試練内容に
「そう、貴方は本当に
「別に、娘が
そう、レイに以前言った通りドラコは娘の泣く姿を見たくないのだ。其処に嘘は一切含まれていない。それは暗に、娘を
ドラコはそれは無いだろうと
そして、ドラコの
だから、ドラコはレイを信じる事にしたのだから。後は、その
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