第6話 ボスを探してます

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NAME:小林智也 Lv10

HP :84/84     MP:39/39

ATK:57   DEF:52   AGI:40

INT:32    MD:32   DEX:41

LUK:17   SPI:24   LER:G


特殊スキル:私益世界【使用回数3/10 0:28】

スキル  :なし

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やはりノーマルを倒すと回数が2消費されていた。


ここまで『私益世界』を使ってきたが、自動発動ってやつは意外と使いづらいかもしれない。


最初は自分で発動しなくていいから便利!と思ったが、使用回数が限られている以上、今後は狩るモンスターを見定めないといけない。


リトルのような低ランクモンスターからステータスを奪っても旨みがない。


無駄とは言わないが、できれば強いモンスターを倒して、ステータスを奪いたい。


今の使用回数であれば、リトル3匹狩るよりノーマル1匹、リトル1匹のほうがステータスは上がるだろう。


便利すぎるのも不便…


〜60分後〜


2階層では特に何もなく、3階層への階段まで来ることができた。


何もなく、というよりはモンスターを見つけても狩らないようにし、また見つからないようにも動き、スキルの使用回数を温存してきた。


3階層に降りたが、2階層と変わらず緑の多い所だった。


「お宝の匂いがする!」


実際何も匂ってない。

気分で言ってみたかっただけだ。


でもダンジョンの醍醐味と言えば、やはりお宝だ。


どのダンジョンにもお宝がある。

ダンジョンのボスと言われるモンスターを倒せばドロップする。


まぁボスと言っても、そのダンジョンに出てくるモンスターの強化個体なだけなんだけどね。


ドラゴンが守っているとかではない。


ボスは最下層内をウロウロしている。

時間をかけてじっくりと探せば出会える。


ただじっくりと時間をかけすぎても他の冒険者に先を越されてしまう可能性がある。


ボスモンスターは狩られるとしばらく沸かない。

詳しくは知らないが、インターバルは1週間だったり、1ヶ月だったりとダンジョンによって違う。


またボスが倒されて存在していない時はダンジョンの天井がどの階層でも青く光る。


今は天井がまだ青く光っていないので誰も倒していない。


早速、ボスを探そう。

ボスは通常より大きいのが特徴だ。


〜5時間後〜


全ッ然おらんやんけぇーーー!!

いたら一目で分かるのに!


3階層を3周もしたが発見できなかった。

このゴブリンパラダイス、門出より大きいとは言え、そこまで大きいダンジョンではない。


なのになぜ見つからない!?


いるのはノーマル、リトル、ノーマル、ノーマル、ノーマル、リトル、ノーマル、ノーマル!!


お前らはお呼びじゃねぇぇぇぇ!!


腹いせに、警戒もせず木の根を枕にしながら腹をかきながら寝ていたゴブリンを1匹倒してしまった。


貴重な使用回数を2も消費してしまった。


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NAME:小林智也 Lv10

HP :107/107    MP:50/50

ATK:74   DEF:67   AGI:52

INT:39    MD:39   DEX:51

LUK:18   SPI:29   LER:G


特殊スキル:私益世界【使用回数7/10 0:39】

スキル  :なし

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2階と3階のゴブリンに性能の差はなかった。

奪ったステータスが全く一緒。


ますますこの階層にいる意味がなくなった。

ゴブリンだけを狩るのであればここじゃなくて、2階層でいい。


あーあ、今日は諦めてもう帰るか…

でもなーここまで来たしな…


よし、もう一周だけ探してみよう。

それでも見つからなかったら帰ろう!


と、気を取り直してもう一度ダンジョン内を探索しようと思った瞬間


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


遠くから女性の悲鳴が聞こえた。


「へっ!?なに!?怖っ!!」


情けない声を出してしまった。


ゴブリンしかいない所で突然、女性の大きい声が聞こえるとは思わなかったのでビックリ。


もしかして行方不明になっている冒険者?

名前はたしか…立川マイさんだっけ。


とりあえず声のしたところまで行ってみよう…


悲鳴が聞こえてきた方へ、しばらく進むことに。


すると木の根本に焚き火の後があった。

まるでそこでキャンプをしていたかのようだった。


…このダンジョンで焚き火?


確かにダンジョンにずっと潜り続けるためにキャンプをすることがある。


しかしそれは未知のダンジョンや階層数が30以上あるダンジョンの攻略時に限る。


こんな低ランクのダンジョンではまずしない。

そんなことをしなくても最下層まで辿りつけるし、帰ってもこれる。


考えられるとしたら遭難?


「なんで、なんで!こうなるのよ!!」


再び女性の声が近くの茂みからはっきりと聞こえた。


見ると女冒険者が1人で巨大モンスターと戦っていた。


ボスモンスターに襲われているのか!?と思ったが明らかにゴブリンと姿が違いすぎる。


「うそ、だろ…」


ここにいること自体がおかしい。


「ギャングゴブリン…Dランクのモンスターがなんで…」

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