二章
「……だから、また何処かで会おう、絶対に。俺、それまで、頑張ってお金稼いで、姉ちゃんに釣り合えるような
ふぅぅゥ
突然、辺りの景色が、一段と濃くなった。
それと同時に、目の前の少年の炎が、虚しい音を立てながら消える。
少年は、笑顔のまま崩れ去り、灰となって散って行った。
私は、何も言えないまま、空へ飛び立って行く灰を、ただ、呆然と見詰めていた。
少年の炎を吹き消した、大きな黒い影のようなものが、ゆっくりと、私の元に近付いてくる。
身体と、意識が、徐々に、その影に吸い込まれて行くような感覚に包まれながら、
私という存在も瓦解していって、、、
「ダリア!!」
聞き慣れた叫び声に、私の意識は一気に現実へと引き戻される。
「こっちだ、早く来い!!」
倉庫の方で、爺ちゃんが必死に私を呼んでいる。
「爺ちゃんっ……!!」
縺れる足を懸命に動かしながら、爺ちゃんの元へ向かう。
村の皆の様子が気になって辺りを見回してみたが、濃煙に包まれていて、どうなっているのか分からない。
「村の皆は?」
爺ちゃんの手に引かれるがまま、倉庫に隠れた私は尋ねる。
「……灰になった。皆、影にやられたんだ」
影、、
あれは、一体なんなんだ。
炎は、例え何をしようが、絶対に消えないものでは無かったのか。
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