本作は詩的に情景を思い浮かべながら読み進めることができるエッセイとなっております。
祖母を失った主人公の視点により語られるストーリーは主観でありまして、全体の詳しい内容が語られておりません。しかし、それこそが本作の肝であり、想像にて読者が補完する余地を残してあることで、エッセイに深みが与えられております。
ストーリーは儚げで悲しいものでありますが、決して悲嘆に暮れるようなものではありません。寧ろ読後は胸のつかえが下りたようにスッキリとしており、良い意味で残された余韻を楽しめる内容です。
お勧めの作品です。