地下第十層



「――トコロガドッコイギッチョンチョン」


「うん。知ってた。わらわは知っておった、こーなる気、してたもん。ふぁさー」


「うにゃにゃにゃーん、お姉さまがまっしろニャ灰にぃー」


「悪い、カソード。もっかいいってくれっか?」


「はい。マリクシードさま。先日この村のはずれに大穴が開きまして、そこからツチグモの群れが飛びだしてきたのです。われわれはなんとか撃退に成功したのですが、このままではわれわれとツチグモとのあいだで戦端が開かれるのは必至。そこであのかたがたに、講和のための使者になってもらおうという話にまとまったのです」


「で、いま勇者は?」


「今朝ご出発なさいました」


「いくぞ、魔王。いまならまだ間にあう!」


「……ほんとーであろな?」


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