21(世紀枠) 魔王たちは潜る・潜る・潜る
「そんぢゃ、番号。一」
「ニー」
「……さん」
「四ニャー!」
「いや、〈猫〉。呼んどらん」
「しょ、しょんニャー。ひどいにゃひどいにゃ。〈猫〉、会議のときもおるすばんだったにゃにー」
「おまえがおったら話しあいにならんだろ」
「どーして。〈猫〉のコトが気になりすぎてオシゴトが手につかニャくニャる?」
「なかよしクラッシャーだから。いままで何匹くらい幹部や幹部候補を闇に葬ってきたと思っとるんぢゃ。わらわが知らんとでも?」
「愛ゆえニャん?」
「まぶたを何度もぱちぱちさすな。罠にハマるほーが悪いンだから、そのことはとやかくゆわん。ぢゃけんど、ダンジョン攻略にはパーティーメンバーの結束が必要だわ。〈猫〉にできるとは思わんの」
「〈猫〉、がんばる!」
「ほんとーであろな?」
「ほんとーであるニャ」
「わらわ、四人組パーティーより三匹のほーが好きなのよね、バランス的に」
「じゃおまえぬけんニャ、ぽんこつ」
「ワガ主、ぺっとガコンナコトイッテル」
「そーぢゃな、ペットもしくはお伴のマスコットキャラ枠ってことで、同行を許そう」
「アンガトにゃー。せーしんせーい、ミもココロも、うしろからまえから百合かごから破瓜ばまで、お姉さまにつくさせてもらう処女ンにゃー」
「〈巨匠〉は前衛な?」
「吾輩、ブンカジン枠。戦エナイ」
「だってわらわ魔王だし。魔王は後ろでふんぞりかえってないと魔王ぢゃないもん。残りはペットと魔法使いだから、必然的にそなたが前にでることになるわな」
「ツ、ツライ。上司ガ無能」
「うん。だったらキミが有能になるしかないよねっ」
「〈巨匠〉、がんばれ!」
「ソモソモナンデ吾輩ナノ? とーる君トカ、モット強イ魔物イッパイイル」
「〈とおる〉くんには城の防衛やってもらわんと。わらわの留守中、ガラ空きにするわけにもいかんでの。それに、勇者のリセット能力に対抗できそーなの、おまえぐらいしかおらんもん。あと魔人だから不死ってところもポイントたかし。いざってときには楯にして、わらわたちだけとんずら決める」
「聞イテナイ」
「聞いてないのはこっちも同じだ。目が醒めたら、いきなり『世界の臍』て。何が悲しくてこのマリクシードさまが魔物とパーティー組まなきゃならんのよ?」
「いーじゃん。魔界最強と人類最強、これぞ夢の超人タッグ!」
「黙れ、人類。きさまはお姉さまに命じられるまま、杖だけ振ってればいーんだニャ」
「メイジだけにの」
「……こんなふーにか?」
キラキラキラン。
「ギャー。〈猫〉の、〈猫〉のしっぽがーっ」
「しっぽだけじゃのーて、〈猫〉、全体的に豚になっとるぞい」
「ブヒッブヒッ。てめ、こんニャロメッ」
「だいいちわらわ、そなたにロックオンされているわけであろ。てぢかに置いといて見張ってないと、いつ暗殺されるかわかったもんぢゃない」
「んなことしてもおれにメリットがないことは知ってるはずだし、本気で調べりゃ解除の方法だって見つかるはずだ。タテマエはいーから、本音は?」
「ほかに連れてけそーなやつ思い浮かばんかった。それに人類なら仮に死んでもイイかな、って」
「ものすごいハレバレとした笑顔でいわないでくれっか?」
「この美貌がいまなら無料!」
「ワースゴイオ得ー。(※あくまで個人の感想です)」
「無料なら額に『肉』って書いてもいいんだろ?」
「ブブブーッ、〈猫〉のお姉さまにナニするニャー、ブヒブヒブヒッん」
「豚ガ猫トハコレ如何ニ、ノ世界ヘようこそ」
「いー感じに収拾がつかなくなってきたところで、ゆくぞ、『世界の臍』。攻略開始ぢゃ」
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