第16話 『ビー玉』

村の鎮守様の石段に座っていた

目の前の田舎道には誰もいない

遠く向こうの国道は忙しそうだった


木陰に入り

僕のお気に入りを探した


鎮守様はいつだって悪ガキどもの遊び場

よく缶蹴りをした

時々、缶と一緒に靴まで飛ばしたり

思い出し笑いをした


20年ぶりの鎮守様

頭の中の記憶を探った

確か、このあたり・・・

目印のブリキの自動車を見つけた

その自動車の所から、鎮守様の狭い床下に潜る


あった!

缶蹴り用の空き缶とビー玉が50個

僕は30年ぶりに缶を蹴り、ビー玉を覗いた


そこには、ひっくり返った故郷があり、悪ガキが走り回っていた


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