第17話 『千代紙の鶴』
千代紙で鶴を折った
理由は無い
テーブルの上に千代紙があり
僕は折り紙では鶴しかできない
そういう理由で
千代紙で鶴を折り、窓辺に置いた
椅子に寄りかかり、眺めてみると
窓辺の鶴の向こうに槿が見えた
それは季節の一コマだった
その一コマを飽きるまで眺め
ペンと手帳を出して
俳句を作ってみた
風景を画像ではなく
文字として描き
残すことに決めた
理由は無い
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