第7話 『8月の少年』

8月の校庭の少年

夏休みだから

ひとりでいられる


少年にとっては静かなところで

自分の心を聴く時間が必要だ


それには8月の校庭は最高

静かだけど、7月のざわつきが少し残っているのも良い点だと

少年は考えている


少年は寂しがり屋で恥ずかしがり屋だから

夏休みの校庭に独りでいる

夏草と汗の匂に包まれて


来年は高校だ


7月のざわつきが残っている校庭で

少年は自分の人生を見つめ始めていた


独りで


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