6.
15分ほど遅れて来た詩織ちゃんの寒そうな顔と、夏物のような服を、友里はまじまじと見た。
辛うじてコートは長いものを着ているが、短いキュロットスカートは保温性が全くなさそうだし、その上のブラウスもピラピラした薄いもので、今日のような日にこんな服では凍えてしまって当たり前だ。
それと、全然関係ないが、オーバーニーソックスの水玉模様が妙に気持ち悪い。
「寒いから早く中に入って」
友里は怒るのも忘れてそう言った。
詩織ちゃんの顔は真っ青で、むき出しの太腿はまだらな紫色になっていた。すっかり冷えてしまったらしい。
友里は何か着るものを貸そうと、本当はみんながいる前では開けたくない押し入れを開け、スウェットの上下とひざ掛けを取り出した。
「ありがとう」
詩織ちゃんはしゅんとした顔のまま、それを受け取った。
「早くコタツに入りなよ」
「あったかいものを食べたほうが」
「私達、先に始めちゃってたの」
みんなが詩織ちゃんの世話を焼いている。
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