第6話
入学式が終わり新入生達は各教室に振り分けられた
「狼の教室…ここか」
ノアは狼のマークが描かれた教室の前に立っていた
ちなみに他の教室は竜と虎と何故か犬の4クラス
ノアはドアを開け中に入ると先に何人かの生徒が椅子に座って喋ったり本を読んだりしていた
ノアは窓際の一番見晴らしの良い上段の席を確保する
(ここならある程度外からの攻撃も見やすいし、教室に入ってきた際に動きや姿も確認しやすい。
対応も容易に出来るポジションの確保は一番大事)
ノアがそんな事を考えているとぞろぞろと他の生徒も入ってくる
他の生徒はみんな仲の良い人達で席を確保していく
(あれは仲間同士かな?背中を任せられる程の信頼があるんだろうなー)
そんな姿を見ていると目の前に誰かが立つ
「隣空いてるかしら?」
「誰も座ってないですね」
「なら失礼するわ。他の席はバラバラに空いてるからアリスと一緒に座れなかったらどうしようかと思ったわ。ほらアリス、ここ空いてたわよ」
隣に座った女性は合格発表の日にすれ違った赤髪の女性だった
(という事はアリスって名前の人はあの時の隣にいた金髪の女性かな?)
「ありがとうエリザ!あっ!お隣の席にも他の同級生がいたんだ」
(やっぱりか。んっ?エリザ…あぁ、エリザベート・ベル、ベル家の長女とアリス・フローレス、フローレス家の長女か。なるほど。あの両家は王家とは良好だから問題なし。一応警戒はしておくけど)
「ええ、先に座ってたからちゃんと空いてるか確認したから問題ないわよ」
「自己紹介はしたの?」
「あっ!そういえばまだ自己紹介してなかったわね。私はエリザベート・ベル、仲が良い人はエリザって呼ぶわ」
ふふんっと言いながら自己紹介をするエリザ
「こんにちわ〜。私の名前はアリス、アリス・フローレス、アリスって呼んでくれたら嬉しいな!」
後ろで手を組みこてんと首を傾げながら自己紹介をするアリス
「あの有名なベル家とフローレス家の才女様でしたか。自己紹介遅れて申し訳ございませんでした。僕の名前はノアと申します。ただの平民ですのでマナーに欠ける部分があるかと思います、何か気に触る事がございましたらご指導ご鞭撻の程よろしくお願い致します」
「そんな硬い言葉遣いしなくていいよ!ここでは皆平等に接するようになってるからね
ねっエリザ?」
アリスがフランクに話してくるがエリザの方を見ると顔がこわばっている
「…あんたがあのノアだったのね」
「あっ!あの入試一位の」
二人が驚いた表情をしてノアを見るが当の本人はそれが?と言わんばかりの顔をしていた
「えっ?そのノアで間違いないですが…それがどうかしましたか?」
「…同じクラスで隣の席だなんて私は運が良いわね。探す手間が省けたわ…わたっ「みんな席に着けーホームルーム始めるぞー」」
担任が入ってきてエリザの最後の一言が聞き取れなかった
☆★☆★
ホームルームが終わると今日はただの顔合わせだけだったらしく帰っていいと言われたので他の生徒は次々に帰宅していく…ノアの顔を見ながら
(自己紹介してから雰囲気が変わったな〜殺気まではいかないけど嫌悪感見たいな感じと興味のあるような目が大体かな?)
そんな事を考えながら帰宅の準備をしていると肩を掴まれる
「ちょっとついてきなさい」
「ちょ、ちょっと!エリザ!」
エリザとアリスだ
「僕に何か話でも?」
「とりあえずついてきなさい」
「ここで話出来ない事ですか?」
「いいからついてきなさい!」
埒が明かないと渋々ながらエリザに着いていく
「ごめんね。ああなったら昔から中々考えを変えてくれないの」
アリスがひそひそと耳打ちをしてくる
「ええ、大丈夫ですよ。わかっているので」
「?」
アリスは首を傾げているがノアは理解している
(やっぱりベル家の当主に似てるなー)
☆★☆★
ー闘技場ー
主に授業や放課後の部活動、個人訓練のために使われる
50m×50mの空間がいくつか別れてあり四隅には防衛機能のある魔導具が設置してあり
起動する事で障壁が生成される
「へえ〜これは中々…これなら多少なり……」
ノアは起動された障壁をコンコンと叩いてぶつぶつと呟く
「ちょっと!こっちに来なさいよ!」
エリザに呼ばれ確認作業をストップする
「それでは話とはなんでしょうか?」
「ここで私と勝負しなさい!」
「もう、エリザ!初日から問題起こさないの!それにノア君だって困って…「いいですよ」えっ!?」
ノアの返答にアリスは凄く驚いていたが、エリザも即答した為か少し驚いている
「そっそう!余程腕に自信があるみたいね
じゃあ武器をレンタルルームから借りましょ」
エリザについていくノア
アリスは諦めたのか大人しく障壁外の椅子に座る
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます