第6話 『大丈夫ですか?』

うーむ、考え込んでいる暇はない。


叔父の部屋にあった写真を思い出し、あたりをつける。


今度は山から一気に海岸を目指して、ドライブだ。


もう雨はやんでいた。


音楽をアルゼンチンタンゴに変える。


寝静まった街中を車ですり抜ける。


ある路地を曲がったところで、その女が飛び出してきた。


急ブレーキを踏み、ハンドルを切る。


車は道路わきの消火栓をなぎ倒して、とまった。


後ろを振り返ると、女が道路に倒れていた。


消火栓の水を浴びながら、女の所へ向かう。


「大丈夫ですか?」


「えーもちろんよ。」


拳銃が僕の胸元を狙っていた。

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