第4話 目の前にヘリコプター

トンネルを出るまでアクセルを床いっぱいまで踏み込んだ。


直線のトンネルから飛び出ると、目の前にヘリコプターが待っていた。


「おいおい、そこまでやるんか?」


思わず言葉が出た。後ろからの車と空からのヘリコプターを相手に、国内普通免許しかもっていない僕はどうしたらいいんだ?


一人目の男から渡された地図によれば、トンネルを出たら左折してダウンタウンに向かうことになっている。


僕は電柱とごみ箱2個をなぎ倒して急カーブを切り、左折した。


後ろの車は曲がりきれずにごみ貯めに突っ込んだ。


ヘリは急旋回をして、まだ追ってくる。


とにかくダウンタウンまではハンドルが千切れるまで左右に車を振っていくしかない。


ヘリからのサーチライトで前の道路が光っている。


ダウンタウンまであと5キロ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る