第5話 甲斐の出陣

勘助「御館様、真田殿」

「報告です。予定通り、善光寺別当ぜんこうじべっとうの栗田殿が旭山城あさひやまじょうに入城致しました。」


信玄「よし、真田ぁー完璧だなっ!!」


真田「いえ、御館様のお力あってこそです」


信玄「北条きたじょうに反乱を起こさせている間に、善光寺の栗田の調略を決めるとは。」


そんな真田の知略、策の深さに信玄ながらも

身震い催したが笑いながらに称えた。


信玄「本命は北条きたじょうでは無く、栗田であったと。いったい何手先を読んでおるのだおぬしは!ハーッハッハハハ!」


真田「とんでもないことです!たまたまでございますよ!。栗田とは割と領土が近所ですから。川中島が重なる戦の被害によって荒れている事を知っておりましたので。」

 

信玄「もー尚更こわいんだけどお前ーー、もーなんか、やめてよー、裏切ったりとかー。」


勘助「御館様、、冗談が過ぎます。。。」


真田「それでは、そろそろ到着しますゆえ先に参ります!」


真田はそうして一足先に自軍の本陣へと向かった。。



道中に、十蔵を呼び出す真田。


真田「十蔵どうだ??」


またどことなく現れる十蔵

ササッー


十蔵「ハッ!」


真田「よし!」「なら頼む!」


なにやら真田が十蔵に伺い、十蔵は再び去っていった。


そして、越後の景虎・甲斐の武田の両軍が川中島の国境を挟んで、睨み合う形でほぼ同時に到着した。


武田軍は、真っ赤に染めらた鎧で統一されている。いわゆる赤備あかぞなえというものだ。

 遠くからでもかなり目立って的になりやすいが、1人1人武勇に秀でた精鋭兵の様に見えた。


信玄「おおー。越後も着いているな!。早く、景虎がどんな顔をしているのか見てみたいのぉ」


勘助「御館様、この戦は長期戦に持ち込む作戦ゆえ、せっかちでいてはなりませぬ。折角の真田殿の策も水の泡に。」


信玄「わがってる!!!」「独り言だ!」

 

そして信玄が大軍を前にし、士気を入れ始めた。


信玄「皆の者これより!北上作戦を始める!敵はその行手を阻む目の前の長尾景虎率いる越後軍、我々はこの戦に勝利し、海陸地まで領土を広げる!甲斐の命運を懸けた戦いだ!皆の者!


    出陣じゃあぁ!!!」


そうして旗掲げ武田軍が始め先陣を切り、二回目となる川中島合戦の火蓋を切った。

 戦が始まり、両軍が勢い良くぶつかりあったが、戦況はすぐ傾くのであった。

 武田軍の劣勢で大きく長尾軍を押し込むようになったのだ。赤備えの効果もあるのか、敵はやはり多少恐怖に圧倒されたであろう。

 こうして武田軍は序盤で有利な戦局で迎えるようになった。


だが、武田軍はここから、越後の脅威により、大きく押し返される事となる。

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