第6話 龍の反撃

川中島国境手前の所まで進んだ越後軍。


直江「前方に見えて参りましたぞ殿!」

       

景虎「わかってる!!」


怒り口調で放った景虎。

そして前方を見ると、普段は殺風景な国境先の景色だが、辺りは燃えるように赤く染まっていた。


武田の軍だ!


武田軍とは前年戦っているが、あの赤く統一された鎧は2度目となる兵も変わらず威圧感に晒された。

もちろん初めてとなる兵には恐怖となった。


直江「あ、相変わらず派手ですな武田の軍勢は」

苦笑いで言う直江


景虎「あんなもの的になるだけだ。」


しばらく進むと直江はあるものを見つけた。


直江「殿、あれはもしや関東の北条ほうじょうの軍」


景虎「やはり。。甲斐の同盟国の北条ほうじょうか」

・・恐らく今川いまがわも援軍を出してくる。

くそっ!武田め完全に固めてきたな。


・・だが三国で来ようが俺は負けない

必ず報いを受けさせるぞ武田よ。


そうして両軍同時に国境を挟んで、睨み合う形で到着した。


直江「殿!皆配置につきました」


景虎「あぁ!行ってくる」


そして景虎は大軍の前に喝をいれる


景虎「これより甲斐の侵略を阻止すべく、武田軍をここで打ち砕く!越後の家族に内乱まで促し、害した武田信玄を断じて赦すわけにはいかない!」


「必ず討ち取るぞ!!!!」


「武田軍が動いた!ゆくぞ!

   

      全軍!前進だ!!!!」



・・武田すぐに貴様の首を引き裂いてやるからな



 そうして両軍出陣し、第二次川中島合戦が始まり、大軍のぶつかり合いで大声が空に響き始めた。


景虎の軍は短期による作戦で組み、景虎の怒りのままに突掛けるよう激突した。


しばらくすると戦況は動いた。

 景虎軍が押される様になったのだ、やはり赤備えに圧倒されたところであろう。

 よって序盤で早々に越後は崩され始めた。


直江「殿!早くも戦況が!」


景虎「くそっ!」


・・・所々の隊が押し込まれてる、騎馬隊を出すにもこのままではダメだ。

ここはまず、崩れた陣から立て直し、騎馬はそれからだ・・・。


景虎「じぃ!少し本陣から離れる!何人か連れて、もっと前に行くぞ!!」

   

直江「殿、今、前に出られるのですか?!」


慌ててついていく直江と家来達。

景虎は一気に前線近くまで小隊と到着した。

 危険過ぎる状況だったが、「毘」と大きく描かれた旗を掲げ、景虎は前線の兵達に呼び掛ける。


景虎「お前達!惑わされるな!こんな物、恐るに足らん!!ただの見せ掛けに過ぎない!!」

「お前達の強さはそんなものでは無いぞ!」

  

  「行くぞ!皆俺に続け!!!」


そう言って、最前線まで一気に景虎小隊自ら先陣を切り、兵達を駆り立てた。

 戦況は一変。 息を吹き返した前線が押し戻すようになり、それだけでは収まらず、景虎の凄まじい戦術眼で、騎馬隊の猛烈な急襲により武田軍の前線は、ほぼ崩壊にまで及んだ。


戦場は一気に越後の軍が優勢となった



景虎「このまま攻め抜くぞ!」

 景虎の言葉に兵達が活気に満ち応えた



そうしてまもなく日が落ちるところまできた


直江「はぁーはぁーっ殿っやりましたね!」

直江は息を切らしながら、景虎に言う。

「武田軍は極めて深傷を負ったでしょう」


景虎「そうだな。」


直江「さ、殿っ、日が落ちますので本陣まで戻りましょう。」

  

景虎本陣➖


直江「今日戦は、我々、越後の勝利でありましょう。また、殿自ら先陣切っての戦いぶり、見事でありました!」


景虎の戦いぶりを、自分事の様に嬉しそうに喜び、称える直江。


景虎「うん、」

景虎は素っ気なく返し、続けて話した。


景虎「明日、武田軍は反撃に来るだろう。

だから反撃に備えつつ、このまま最短で討てるように前線を押し上げる。」


直江「えぇ!そうですな!・・・



ですが今日の前線での戦いぶりは本っ当にっ

      騎馬の指示も完っ璧で、、、」


景虎「あーもーわかったよ、じぃ、ありがとね!」

直江の雰囲気に流され少し落ちく景虎だった






翌日。決戦2日目。


景虎・・よし、武田軍は変わらず同じ陣形だ


景虎「じぃ!」


直江「えぇ!全軍配置についております!」


景虎「行くぞ!全軍、前進だ!!!」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る