第4話 怒り
北条家は皆、追放を覚悟した、だが
景虎「じぃ!!!今すぐ北条家を皆、城近くにて
直江「なっ殿っ、、か、かしこまりました!!」
異様な景虎の判断に一瞬、反覆しようとした直江だが、それこそ事態に相応しくない事は景虎の眼を見てすぐに理解した。
血相を変え、まるで鬼のような空気を出す景虎
景虎「すぐに甲斐の武田に文を出せ!まったく北条に裏切らせ内乱を、戦いになれば援軍をとも促し、結局一兵を送らぬとは。武田め、一当主として、いや、人として恥ずべき行為、卑怯かつ愚か!」
景虎「すぐに甲斐へ伝を!」
「宣戦布告だ!」
「すぐに川中島に向かい陣を張る!国境近辺の城にも、全て早馬をだせ!急げ!」
こうして甲斐、越後の両者が国境にもなる川中島に出陣し、世に言う、第二次川中島の戦いが始まる。
そうして長尾軍の準備が整い進軍し出した。だが景虎には、ある凶報が届く。
家臣「殿、ほ、報告致します」
恐る恐る言葉を出す家臣
景虎「どうした!今はしょうもない話しは聞けないよ!」
家臣「
家臣は頭を深く下げながら声を上げて言った
景虎「なんだと.....なぜ..だ」
善光寺とは、越後の領土である川中島付近にある寺、現代では国宝とされ(うしにひかれて善光寺参り)と言う伝説で有名である。
栗田はその周一帯を支配し、川中島周辺に絶大な影響力を持った、長尾家の家臣である。
直江「これは、殿、作戦を変えなければなりませぬな。」
いつもよりまして、鎧をピッカピカに磨き上げ気合いの入った直江だったが、艶が落ちる様だった。
景虎「栗田、あの者まで武田に調略されたと言う事か、まずいぞ....」
直江「栗田がどう動くかですな、」
怒りを抑え少し目を閉じる景虎
「・・そのまま攻めて来る事は考えにくい。
景虎「.....栗田は甲斐の
旭山城は、甲斐と越後の国境線の中央に置く、甲斐の最重要拠点である。
城の先には大きな川があり、壁の役目をしている。つまり、そこに張られてしまうと越後軍は右側からの攻撃が出来ないという事を景虎は想定した。
景虎「栗田に旭山城に張らせ、そして甲斐は、殆どの勢力を左側からぶつけて来る。」
直江「さすが殿!では、先に向かった兵達を
景虎「待って、じぃ、それだけじゃない!栗田に旭山城を守らせる、という事は左側に俺が勢力を動かした時に越後本国が危ない。
本国までの地形を知る、栗田なら一気に押し掛けて来る。」
直江「ぐぬっ」
景虎「..まずは急いで、全軍で善光寺を奪還する!!」
善光寺に到着した長尾軍は、凄まじい勢いで制圧した。
しかし、奪還には成功したが景虎の見立て通りの事が起きた。
直江「やはり殿の言う通り本陣はもうありませんでしたか....。」
景虎・・やはり遅かったか、
・・おかしいぞ....相手の動きが完璧だ....
......事が周到すぎる・・・
景虎は、北条の謀反が起きた時からの記憶を思い返した。
まさか、最初から!?、そうだ間違いない....
景虎「くそっ!」
怒りをあらわに吐き出す景虎
・・してやられた、
大きく先手を打たれた、このままではまずい..
他にも仕組まれているかもしれない.....
景虎「じい!まずは、旭山城の警戒だ!そこに大きくはないが新たな拠点を作る!ここの善光寺にも陣を張って守らせて、それ以外の全軍で左側へ進軍させ武田軍を迎え討つ!!」
・・いいだろう武田よ、ここまではよくやった、だがこの景虎の守るべき家族を揺さぶり、傷つけ、俺の大切な越後を攻め込んだ事を絶対に許しはしない。
すぐにその首、体から引き裂いてやる。
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