第25話 王女ルナの恋 ㉔
ジョナサンは、ニーナが率いる家出少年部隊を見て、
「なぜ、あんなド素人集団を連れて来たんだ?」
と、ソヨンに怒った。
「戦力どころか、かえって足手まといになる」
ジョナサンは深いため息をつきながらそうつぶやいた。
しかし落胆し頭をかかえるジョナサンに、ソヨンはある事実を伝えた。
「心配しないで。大丈夫だから・・・。
あの中に、アジアの小国だけど、元大統領の孫がいるの。
その元大統領のボディーガードが凄いのよね。
お願いしても雇えないクラスの有名な人なの。
それなのに、なんとそのボディーガードは、今、あの無鉄砲極まりない孫をガードする任務についていたの。だから、そのボディーガードをこの作戦に引き込むために、あの子たちを受け入れたの」
そしてソヨンは、ある驚くべき事実を付け加えた。
「でも実は、あの子ども達の中に、驚くほどの逸材がいたの。
昔、アメリカの国防総省の機密情報にハッキングを仕掛けた子供がいたことを覚えている? その子が、混じっていたの」
驚くジョナサンに、さらにソヨンは家出少年達の頭脳ともいえるレイア姫のことについて、さらに驚くべき事実を明かした。
「調べてみたら、その子はIQが凄く高くて、アインシュタイン・レベルの頭脳の持ち主だった。でも、周囲と上手くやって行けなくて、周囲から孤立して、問題児扱いされていたらしいのよね。それで家出を繰り返していたと云う、可哀想な天才児だった。だからこの子は後方支援の情報分析官として、すぐに使える。
たぶんニーナよりも、頼りになると思うわ」
ジョナサンはソヨンの言葉に少し安心したようだったのだが、ソヨンはさらに、笑いながらこう付け加えた。
「そしてこの天才児の恋人は、元大統領の孫なのよね。
だからきっと、愛する恋人を助けるために、頑張ると思うわ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます