第18話 王女ルナの恋 ⑰
ルークがアラブの王子を怒らせてしまったことで、まとまりかけていた自家用ジェットと武器の調達が不可能となり、ソヨンは窮地に追い込まれていた。
しかしルークがその突破口となった。
「あなたは誰なの?」
「ルーク・スカイウォーカー」
とルークは白々しく答えた。
「さっきあなたを救った4人の男たちは、かつて大統領のSPだった」
ソヨンの話にも、ルークは知らないふりをし、本当の名前を言おうとはしなかった。
「なぜ知ってるかって? 私も一時、要人のSPをしていたことがあるの。
私の顔見知りが、さっきあなたを護った男たちの中にいたわ」
「フ~ン・・・、そうなんだ。ぜんぜん知らなかったな。
でも、僕の知り合いではないから、知らなくて当然だよね」
と答えた。
「政権が変わったとき、彼らは辞職して、元大統領と共に官邸を去ったの。
そして今でも元大統領の身辺を護っていると噂では聞いていた。
それなのになぜ、彼らはあなたを護っているのかしら?」
「あなた、元大統領の孫なのね?
だから気づかれないようにして、彼らはあなたを見まもっていたんだわ。
私でさえ、あの騒ぎが起こるまで、まったく気づかなかった」
とソヨンは驚き、少年に言った。
「元大統領は、次男ではなく、死んだ長男が残した息子を自分の跡継ぎに考えていると聞いたことがある。
あなたがその孫だったのね?」
「そうだったとしても、みんな昔のことさ。
僕は、元大統領の孫でいるよりも、レイアと一緒にいたいんだ」
と挑戦的な目をしてソヨンに言った。
「おじい様は、僕とレイアを引き離そうとした。
だから僕たちは一緒に逃げるしかなかったんだ」
そしてルークはソヨンをにらみつけ、
「誰にも僕とレイアの愛を引き裂く権利はないんだ」
と言い放つと、その場を走り去っていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます