世界史
[日々 和也視点]
「まもなく〜神谷大学前〜神谷大学前でございます。」
アナウンスが流れた。そろそろ着くらしい。俺は携帯の電源をつけ、何とか1限目に間に合いそうな事を確認した。
「神谷大学前〜神谷大学前でございます。お足元に注意してお降りください。」
神谷大学は電車を降りたらすぐに着く。しかし授業を行う場所まではある程度距離がある。俺は足早に授業を行なう教室まで行った。
世界史
「みなさんおはようございます。土日も挟みまして今日から皆さん初めての授業じゃ無いでしょうか?いや、金曜に授業があった人もいますかね。私の名前は安部 はっとり(やすべ はっとり)と言います。これから皆さんの世界史を担当しますのでよろしくお願いいたします。」
はっとり先生が自己紹介した。見た目は爽やかイケメンで茶髪の糸目が特徴的である。
「では授業を始めましょうか。世界史と言いましても私たちはスキル科に所属していますので、スキルが生まれてからの世界史となります。スキルが生まれたのは今から530年前、それまでは世界にスキルという存在は無く、科学のみが世界の中心でした。そんな時に突然スキルが生まれたのです。」
「原因は同時期に出現したダンジョンだと言われていますが、神がスキルを作ったという説もあり、現在ではまだスキルが生まれた原因がはっきりしていません。しかし・・・」
話が長い。というか半ば飽きた。必修科目だから受けたけど、歴史はあまり興味がない。現在の状況だけ見たら十分じゃないの?
俺は当たりを見渡し同じように暇している人がいないか探した。すると隣の男性がノートも取らずに片肘をついて外を見ているのが見えた。俺はこそっと話をしてみた。
「ねぇ、君も世界史に興味が無いの?」
すると外を見ていた男性も声に気がつきこちらを向いた。
「いや、僕は研究でこの辺りは調べ終わってるからね。一応授業も聞いているよ。でも新しいことが出てこないから暇なんだよ。」
あっ、研究で歴史を調べてらっしゃる方でしたか。まっずい人に話しかけちゃったな。でも、それならそれで聞いてみようかな。
「歴史ってどうして勉強する必要があるの?」
ちょっと失礼だったかな?そう考えていると返答が返ってきた。
「スキルの歴史はまだ分かってない事が多いんだ。スキルの生まれはもちろん、スキルでどんな事が出来るのかも手探り状態なんだ。そんな時自分がスキルを使うとして、どんな事が出来るのか。歴史を見るとヒントが貰えたりするよ。他にも、旅行に行く時行った先で住民につれない態度を取られたら、そこには何か歴史が隠されてる可能性が高い。それを先に知っているかいないかで、大きく行動が変わるんじゃないかな?」
結構しっかりとした返答が来てしまった。でもある程度は納得できた。歴史は今を生きるためのヒントをくれるって訳ね。なるへそ。
「そこ、私語をするなら教室を出てからにしなさい。」
「「す、すいません。」」
はっとり先生に怒られてしまった。それから俺は少し身を入れて授業を聴いた。でも国がどういう政策を取ってとか聞いてると、やっぱり眠くなった。うとうとしていたら先生が終わりを告げた。
「では今から小テストをしましょう。今日やった事の復習ですよ。」
え?!あんまり記憶ないよ。隣を見ると彼は笑ってこっちを見ていた。
あ、オワタ
問い。(1)、(2)に入る言葉を答えよ。
人が入手可能なスキルは特級クラスが最高となっているが、通常最大(1)個まで入手出来る。しかし(2)によって最大個数を増やす事が出来る。
A.(1):10 (2):努力
答え(1):1 (2):勇者などの特別な称号
コメント:次は頑張って起きましょう
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