今日の世界は非日常なり(別視点①)

[土屋 勇人視点]


私の名前は土屋 勇人。和也の親友であり、訳あって自衛官をやっています。今は避難勧告で避難していない住民を避難場所に連れて行く仕事をしています。今日も何もなければいいのですが・・・。


プルルルル・・・


「はい、土屋です。」


「私だ」


「官長ですか。今住民を避難させているところですが、何かありましたか?」


「先程気象庁から連絡があってな。神域に高エネルギー反応だそうだ。200年前、神が顕現した時の反応と酷似しているとか。私は先に神域に向かうから、住民の避難を急いでくれ。以上だ。」


こう言って官長からの電話は切れた。私は遂にこの時が来たと感じた。預言庁によると、この一年の内に神が顕現されると預言していた。しかし、日にちまでは絞り込めずに何度も避難させる羽目になったのだ。


おかげで今回の初期避難人数は過去最低なんですよね!参っちゃうね!集めるの俺なのに!


おっと失礼、昔っから興奮すると口調が荒くなってしまうんです。


私は各避難場所に行って、住民リストと照らし合わせる事にした。すると、


あれ?あいつは?


俺の親友が、和也がまだいなかった。俺は急いで神楽公民館にいた和也の母に聞いた。


「和也?まだ来てないの⁈あの子多分まだ二階でゲームしてるわ!勇人さん、すいません。うちの子を連れてきて頂けませんか?」


どうやらまだ家にいるようだ。俺は急いだ。スキルで身体能力を上げるものは持ってないが、運動神経はいい方だ。だが時間はそんなにある訳じゃ無かった。神域の方で特大の火柱が立ったのだ。


「くそっ、間に合ってくれ!」


俺は息切れしながらも日々家に到着。礼儀として数回ノックして、返事を待たずに部屋に突入した。和也は案の定ゲーム真っ最中だった。


俺は丁寧に、いや結構急いでいた為口調は昔に戻っていたが説得を試みた。しかし、説得より先に神域から炎の渦が飛んでくる予感がした。俺は咄嗟に和也を庇い土魔法(特級)を発動させた。おかげで何とか和也を守れたが、外から声が聞こえた。


「おぬしが異界の勇者かの?」


焦げて部屋の半分が無くなった日々家から見えたのは真っ赤な髪の小さな女の子だった。




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