今日の世界は非日常なり③

[日々 和也視点]


・・・ようやく家の前に着いた。早く自分の部屋に行きたかったのだが、勇人が家の前で立っていた。俺を待っていたようだ。


「よう和也。元気そうで、・・・大丈夫か?」


ぜぇ、ぜぇ、はぁ、はぁ、あ、うぐ、はぁ、はぁ。


「全く、普段運動してないからそうなるんだ。それで、だな、」


勇人は腰を90度曲げ、頭を下げた。


「すまなかった。おまえを巻き込んでしまった。」


「・・・?じゃあ、あの時何があったか知ってたってことか?」


「ああ、その後の事も、な。だからおまえが知「じゃあ俺のゲーム機は無事なのか⁈」


「」


俺は勇人の肩を掴んだ。


「俺のゲーム機だよ!直前まで触ってた!」


「あ、ああ。大丈夫じゃないか?(多分・・・)」


「全て知っていたおまえを許すかどうか、ゲーム機の安否で決めるからな!ちょっとそこで待ってろ!」


俺は勇人の肩から手を離すと家の階段を駆け上がり、自分の部屋に入った。そこで見たのは炎に包まれたとは思えない、いつもの空間とゲーム機があった。俺は安堵の息をつきながら階段を降り、勇人の待っている家の前まで出た。


「勇人・・・俺は今気分がいい。俺の部屋が燃やされる事を知っていたとしても全てを許そう。」


「お、おう。ありがとな。」


・・・・・・・・・・・・

何だこの間


「じゃあまたな!気をつけて帰れよ!」


「え?!」


「何だよ。」


「い、いや、和也がそれでいいなら良いんだが・・・」


「だから何だよ。」


「・・・聞きたいこととか。」


「ない!気をつけて帰れよ!」


そう言って俺は家の中に入った。家の戸を閉める時に見えた唖然とした勇人の顔が面白かった。俺はゲーム機の前に座り伸びをした。


「よし、一時はどうなるかと思ったけど、ゲーム機が無事なら万々歳だぜ。」


そうやってゲーム機の電源を入れた。そして俺の冒険の書は、、、白紙だった。


「は?バックアップは?」


バックアップは、、、無かった。


・・・・・・・・・


よし、全部許すって言ってたけど、やっぱり半分は許さん。


「和也〜。帰ったわよ〜。早速だけどゲーム機は没収させて貰うわね〜。」




やっぱり全部許さん!後でとっちめてやらぁ!俺はそう誓った。

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