日常

「ブヒィィィ!!」


俺とアッシュは今、おそらくオークと思われる魔物達を蹂躙している。

こいつらは、巨大猪の完全な下位互換みたいな魔物で。

生命力は強いが、正直言ってクソ弱い。


「こいつらの肉は、豚肉みたいで上手いんだよな。塩を使って焼いて食おうなアッシュ。」


「ワン!!」


「やっぱり、盗賊狩りして正解だっただろう?対してリスクもなく、欲しいものがもらえるんだから。」


「ワン!!」


「アッシュもわかってくれたか。規模の大きい盗賊を狩ったら、胡椒も手に入るのだろうか?」


仁は、この世界の治安が悪くてよかったと心から思っている。


ザシュ!!


5体いた中で

最後のオークを大剣で切り裂き、食えそうな部分だけを収納して、それ以外はそのままにしておく。


「アッシュ照り焼きもタレって、何でできてるんだろうな?」


「ワン、ワン」


「人に聞けって?でも俺が遭遇した人類は盗賊しかいないぞ。

自分の実力以上に目立つと、最悪殺されちまうんだぞアッシュ。

小悪党は、コツコツ稼がないといけないんだ。

いつか、元料理人の奴隷を買って教えてもらうさ。」



「ワン!!!」


「それなら、その人に作ってもらえって?アッシュ、この暴力がありふれた世界において、自分でなんでもできるようになっといた方がいいんだぞ。

それに、元料理人は俺たちについてこれないだろ。」


「ワン」


仁はアッシュとなんとなく会話ができるようになってたので、人間は一人しかいないが、孤独感は感じなかった。


「というか、アッシュお前なんか毛並みが真っ黒になってるよな?

進化でもしたのか?」


「ワン、ワン、ワーン」


「魔力が濃くなっただけって、絶対違うだろ。お前、影魔法得意だから黒くなったんだろ。影分身できる?」


「出来ないのか。できるようになったら、俺にも教えてくれよ。」


「ワン!!」


「そうだな、それより上手い飯を食うか。」


収納からペニスハウスを出して、鬼頭部分を土魔法で変形させて、

ペニスハウス、調理スタイルにして肉を焼き、塩で味付けをする。

アッシュと一緒に食う。


「アッシュ、明日こそは盗賊を見つけような。」


「ワン!!」


俺達の生活は森の中にいた頃に比べれべ、多少文明的になっているけど。

前とあんまり変わらん。強いて言えば、不恰好だが布団と服を作れるようになたぐらいだろう。



そんなことを考えながら、アッシュと交代交代で寝る。


ーーーーー3日後昼ーーーーー


「やっと、やっと盗賊を見つけた。しかも、かなり大人数だぞ。30人ぐらいいるのか?」


森の少しひらけたところに、大の男30人ほどがたむろしていた。


「冒険者と盗賊の違いの見分け方が分からんけど、森の中にいるなら、盗賊でいいだろう。」


仁にとって、自分が略奪できるならどっちでもよかった。


「気配と魔力にばらつきが結構あるし、盗賊だろう。」


冒険者は自分と同じぐらいの実力のやつら組むが、盗賊は力の強いやつが弱い奴を支配してるから、こいつらはおそらく盗賊だろうと推測する。


「とりあえず、魔物とか護衛達との戦闘を観察してからじゃないと

なにも出来んな。」


ーーーーー5日後ーーーーーー


「よし、盗賊団潰すか。」


仁は、自作の目出し帽を被った。




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